税額控除
更新日:2023年8月22日
調整控除
基礎控除や配偶者控除、また扶養控除などの人的控除については、個人市民税・県民税での控除額が所得税に比べ低額に定められています。したがって、納税者の税負担を変えずに、個人市民税・県民税を増やし、所得税を減らす税源移譲において所得税の税率を引き下げただけでは税負担が増えてしまうことになります。
納税者の税負担が変わらないようにするための措置のひとつとして、個人市民税・県民税と所得税の人的控除額の差を調整する「調整控除」が平成19年度に新設されました。
各納税者の人的控除の適用状況に応じ、一定の税額が控除されます。
※令和3年度課税から、所得2,500万円を超える場合、調整控除の適用がなくなります。
人的控除額の差額一覧表(令和3年度以降適用)
控除の種類 | 住民税 | 所得税 | 控除額の差 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
基礎控除 | 納税義務者の合計所得金額 |
2,400万円以下 | 43万円 | 48万円 | 5万円 | ||
2,400万円超 2,450万円以下 |
29万円 | 32万円 | 5万円(注釈1) | ||||
2,450万円超 2,500万円以下 |
15万円 | 16万円 | 5万円(注釈1) | ||||
2,500万円超 | 0円 | 0円 | 0円 | ||||
扶養控除 | 一般扶養親族 | 33万円 | 38万円 | 5万円 | |||
特定扶養親族 | 45万円 | 63万円 | 18万円 | ||||
老人扶養親族 | 38万円 | 48万円 | 10万円 | ||||
同居老親等 | 45万円 | 58万円 | 13万円 | ||||
障害者控除 | 普通障害者 | 26万円 | 27万円 | 1万円 | |||
特別障害者 | 30万円 | 40万円 | 10万円 | ||||
同居特別障害者 | 53万円 | 75万円 | 22万円 | ||||
ひとり親控除(母) | 30万円 | 35万円 | 5万円 | ||||
ひとり親控除(父) | 30万円 |
35万円 | 1万円(注釈1) | ||||
寡婦控除 | 26万円 | 27万円 | 1万円 | ||||
勤労学生控除 | 26万円 | 27万円 | 1万円 |
(注釈1)調整控除の計算に使用する上での金額となっており、実際の住民税と所得税の控除差とは異なります。
控除の種類 | 納税義務者の合計所得金額 |
住民税 | 所得税 | 控除額の差 |
---|---|---|---|---|
控除対象配偶者 | 900万円以下 | 33万円 | 38万円 | 5万円 |
900万円超950万円以下 | 22万円 | 26万円 | 4万円 | |
950万円超1,000万円以下 | 11万円 | 13万円 | 2万円 | |
老人(70歳以上) |
900万円以下 | 38万円 | 48万円 | 10万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 | 6万円 | |
950万円超1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 | 3万円 |
配偶者の合計所得金額 |
納税義務者の合計所得金額 | 住民税 | 所得税 | 控除額の差 |
---|---|---|---|---|
48万円超50万円未満 | 900万円以下 | 33万円 | 38万円 | 5万円 |
900万円超950万円以下 | 22万円 | 26万円 | 4万円 | |
950万円超1,000万円以下 | 11万円 | 13万円 | 2万円 | |
50万円超55万円未満 | 900万円以下 | 33万円 | 38万円 | 3万円(注釈1) |
900万円超950万円以下 | 22万円 | 26万円 | 2万円(注釈1) | |
950万円超1,000万円以下 | 11万円 | 13万円 | 1万円(注釈1) |
(注釈1)調整控除の計算に使用する上での金額となっており、実際の住民税と所得税の控除差とは異なります。
人的控除額の差額一覧表(平成31年度・令和2年度適用)
控除の種類 | 住民税 | 所得税 | 控除額の差 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
基礎控除 | 33万円 | 38万円 | 5万円 | ||||
扶養控除 | 一般扶養親族 | 33万円 | 38万円 | 5万円 | |||
特定扶養親族 | 45万円 | 63万円 | 18万円 | ||||
老人扶養親族 | 38万円 | 48万円 | 10万円 | ||||
同居老親等 | 45万円 | 58万円 | 13万円 | ||||
障害者控除 | 普通障害者 | 26万円 | 27万円 | 1万円 | |||
特別障害者 | 30万円 | 40万円 | 10万円 | ||||
同居特別障害者 | 53万円 | 75万円 | 22万円 | ||||
一般寡婦 |
26万円 | 27万円 | 1万円 | ||||
特別寡婦 | 30万円 |
35万円 | 5万円 | ||||
寡夫控除 | 26万円 | 27万円 | 1万円 | ||||
勤労学生控除 | 26万円 | 27万円 | 1万円 |
控除の種類 | 納税義務者の合計所得金額 |
住民税 | 所得税 | 控除額の差 |
---|---|---|---|---|
控除対象配偶者 | 900万円以下 | 33万円 | 38万円 | 5万円 |
900万円超950万円以下 | 22万円 | 26万円 | 4万円 | |
950万円超1,000万円以下 |
11万円 | 13万円 | 2万円 | |
老人(70歳以上) |
900万円以下 | 38万円 | 48万円 | 10万円 |
900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 | 6万円 | |
950万円超1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 | 3万円 |
配偶者の合計所得金額 | 納税義務者の合計所得金額 |
住民税 | 所得税 | 控除額の差 |
---|---|---|---|---|
38万円超40万円未満 | 900万円以下 | 33万円 | 38万円 | 5万円 |
900万円超950万円以下 | 22万円 |
26万円 | 4万円 | |
950万円超1,000万円以下 | 11万円 | 13万円 | 2万円 | |
40万円以上45万円未満 | 900万円以下 | 33万円 | 38万円 | 3万円(注釈1) |
900万円超950万円以下 | 22万円 | 26万円 | 2万円(注釈1) | |
900万円超950万円以下 | 11万円 | 13万円 | 1万円(注釈1) |
(注釈1)調整控除の計算に使用する上での金額となっており、実際の住民税と所得税の控除差とは異なります。
調整控除の計算方法
※控除額は、市6:県4の割合により按分されます。
課税所得金額 | 調整控除額 | |
---|---|---|
200万円以下 | ア 人的控除額の差の合計額 | ア、イのいずれか小さい額の5% |
イ 個人市民税・県民税の課税所得金額 | ア、イのいずれか小さい額の5% | |
200万円超 | {人的控除額の差の合計額 - (個人市民税・県民税の課税所得金額 - 200万円)} × 5% ※この金額が2,500円未満の場合は、2,500円。 |
配当控除
配当控除の計算方法
区分 | 配当の種類 | 市民税 | 県民税 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
課税所得の合計額 | 1,000万円以下の場合 | 利益の配当 剰余金の分配 特定株式投資信託に係る分配 |
1.6% | 1.2% | ||
1,000万円以下の場合 |
証券投資信託に係る分配金 | 外貨建等証券 投資信託以外 |
0.8% | 0.6% | ||
1,000万円以下の場合 |
証券投資信託に係る分配金 |
外貨建等証券 投資信託 |
0.4% | 0.3% | ||
1,000万円を超える場合 | 1,000万円以下の部分 | 1,000万円以下の場合と同じ | ||||
1,000万円を超える場合 |
1,000万円を超える部分 | 利益の配当 剰余金の分配 特定株式投資信託に係る分配 |
0.8% | 0.6% | ||
1,000万円を超える場合 |
1,000万円を超える部分 |
証券投資信託に係る分配金 | 外貨建等証券 投資信託以外 |
0.4% | 0.3% | |
1,000万円を超える場合 |
1,000万円を超える部分 |
証券投資信託に係る分配金 |
外貨建等証券 投資信託 |
0.2% | 0.15% |
※外国法人から支払いを受ける配当所得、投資法人から支払いを受ける配当所得、特定外貨建等証券投資信託に係る配当所得については、配当控除の適用は受けられません。
外国税額控除
外国で所得税又は個人市民税・県民税に相当する税が課税された場合、日本でも同じように所得税や個人市民税・県民税が課税されると、二重課税されることになるため、それを調整するために控除されるものです。
具体的には、所得税において外国税額控除が行われた場合に、所得税で外国税額が控除しきれないときは、所得税の外国税額控除限度額の12%を限度として県民税の所得割額から控除し、さらに控除しきれなかった額は、所得税の外国税額控除限度額の18%を限度として市民税の所得割額から控除します。
控除限度額の計算方法
所得税 | その年分の所得税額 × その年分の国外所得総額 ÷ その年分の所得総額 = 所得税外国税額控除限度額 | |
---|---|---|
県民税 | 所得税外国税額控除限度額 × 12% = 県民税控除限度額 | |
市民税 | 所得税外国税額控除限度額 × 18% = 市民税控除限度額 |
控除の手順
(1)所得税 - 外国税額
↓ (1)で引ききれなかった場合
(2)県民税 - 県民税控除限度額
↓ (1)、(2)で引ききれなかった場合
(3)市民税 - 市民税控除限度額
住宅借入金等特別税額控除
配当割額・株式等譲渡所得割額の控除
配当割
一定の上場株式等に係る配当所得等に対しては、道府県民税配当割として、配当等の支払いの際に他の所得と区分して、市民税1.8%・県民税1.2%の税率による特別徴収が行われます。
また、この場合の徴収は、上記の配当等を行う機関等が特別徴収により行い、本人の納税は済んでいます。
このため、この所得については申告不要となっていますが、申告をして総合課税とし、配当控除や配当割額の控除を受けることもできます。
ただし、申告した場合には、合計所得に含まれます。
株式等譲渡所得割
源泉徴収口座を選択した特定口座内の、上場株式等の譲渡に係わる所得に対しては、道府県民税株式等譲渡所得割として、他の所得と区分して、市民税1.8%・県民税1.2%の税率による特別徴収が行われます。
また、この場合の徴収は、上記の譲渡の対価等の支払いを行う機関等が特別徴収により行い、本人の納税は済んでいます。
このため、この所得については申告不要となっていますが、申告をした場合は所得割が課税され、株式等譲渡所得割額が控除されますが合計所得に含まれることとなります。
寄附金税額控除
寄附金税額控除の計算方法
寄附金税額控除の対象 | 都道府県・市区町村に対する寄附金(いわゆる「ふるさと納税」) 住所地の都道府県共同募金会・日本赤十字社支部に対する寄附金 都道府県・市区町村が 条例により指定した寄附金 |
---|---|
控除方式 | 税額控除方式 |
控除率 | (A)基本控除額 |
適用下限額 | 2千円 ※平成23年度以前は5千円 |
※松戸市が条例で定めた法人は、松戸市内に主たる事務所又は事業所を有する独立行政法人、公益社団法人、公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更正保護法人、認定NPO法人。
※市外に本部のある学校等であっても、松戸市内に校舎等がある場合は該当します。
※千葉県が条例で指定した法人で、松戸市に事務所等がない場合は、市民税からの税額控除はく、算出された控除額のうち県民税(4%)の部分のみ税額控除することになります。
計算例
Aさん:個人市民税・県民税所得割額 474,500円、所得税率20%
AさんがM市に50,000円寄付した場合、個人市民税・県民税の寄附金税額控除額は次のとおりです。
基本控除額(ア) | (50,000円-2,000円)×10%=4,800円 |
特例控除額(イ) | (90%-20%×1.021)=33,400円 |
個人市民税・県民税の寄附金控除額 (ア)+(イ) |
4,800円+33,400円=38,200円 |
手続き方法
寄附金税額控除を受けるためには、寄附を行なった人が、寄附先が発行する1月1日~12月31日までの領収書等を添付して、翌年の3月15日までに確定申告書を税務署に提出もしくはワンストップ特例制度の適用が必要です。
なお、確定申告の際は確定申告書第二表の「住民税に関する事項」への記載が必要です。
ワンストップ特例制度を適用せず、かつ確定申告を行なう必要のない人は、市役所に個人市民税・県民税の申告をする必要があります。
ふるさと納税ワンストップ特例制度について
平成27年度税制改正により、平成27年4月1日以後に支出した地方公共団体への寄付金に対して「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されました。
この制度を適用すると、確定申告をする必要がない給与所得者等がふるさと納税を行った場合、確定申告を行わなくても、ふるさと納税として寄付した分の控除が受けられます。
この特例を受けるには、寄附金を支出する際に寄付先団体に申告特例申請書を提出することが必要となります。また、この申告特例申請書の提出先は5団体以内となりますので、それを上回る場合には、寄付した翌年に全ての寄付金について確定申告を行ってください。
詳しくは、下記リンクの総務省ふるさと納税ポータルサイトをご覧下さい。
寄附金限度額の試算
ふるさと納税の限度額は、上部のリンク先にある個人住民税試算・申告書作成システムでご確認いただけます。なお、算出される限度額はあくまで目安です。所得額や控除額の増減により限度額も増減しますのでご注意ください。