松戸市立常盤平中学校の野球部とサッカー部が揃って関東大会優勝・全国大会出場を果たす
更新日:2023年9月26日
全国大会出場を果たした常盤平中学校の野球部とサッカー部
野球部とサッカー部のライバル関係が原動力に
常盤平中学校の野球部とサッカー部は、ともに8月上旬に開催された関東中学校体育大会で優勝し、8月下旬から四国で行われた全国中学校体育大会に出場しました。野球部は惜しくも初戦で敗れましたが、サッカー部は初戦を突破し、見事ベスト16入りを果たしました。普段から互いの部活での頑張りを意識し、一緒に全国大会に出場しようという約束を実現させた同校の野球部とサッカー部に、全国大会出場までの努力や全国出場で得たものなどについて聞きました。
※この記事の内容は2023年9月時点のものです。
互いの存在がいい刺激になった
常盤平中学校の校舎とグラウンドの間には、関東大会や全国大会への出場を果たした部活の石碑が建てられています。野球部顧問の鈴木慎吾(すずきしんご)先生とサッカー部顧問の平田義人(ひらたよしひと)先生は、「今年、一緒に全国大会へ出場してここに石碑を建てよう」と誓い合ったそうです。
そして迎えた8月8日、野球部とサッカー部はともに全国大会出場をかけた試合に挑みました。野球部は、昨年度全日本少年軟式野球大会で全国制覇を達成した上一色中学校(東京都代表)と対戦し、激闘の末4対1で勝利し一足先に全国大会出場を決めます。その頃サッカー部は、2回戦で新座市立第二中学校(埼玉県第1代表)と対戦しており、前半を1対0でリードしていました。「ハーフタイムのとき、平田先生から野球部が全国出場を決めたことを聞きました。そこで自分たちも勝って全国へ行こうと気持ちがさらに引き締まりました」とサッカー部の主将・後藤琶矢斗(ごとうはやと)(3年)さんが、当時を振り返ってくれました。後半も1点を加えたサッカー部は2対0で勝利し、1996年度以来27年ぶり4度目の全国大会出場を決めました。
4度目の全国大会出場を果たしたサッカー部の選手たち
揃って関東制覇、そして全国へ
サッカー部は、準決勝・決勝が荒天の影響で中止となったため、4校同時ながらも初の関東制覇を成し遂げました。一方の野球部は、全国大会出場決定の2日後に行われた決勝で東海大菅生中学校(東京都代表)を破り、16年ぶりに関東大会を制しました。“揃って全国大会出場”という約束を叶えた鈴木先生は、「2022年秋の県新人戦でサッカー部が優勝して、野球部は3位でした。互いに全国を目指していたので、このままじゃダメだという気持ちはより一層強くなりました」と語り、平田先生は「日頃から隣のグランドで練習しているので、野球部が高い意識で一生懸命取り組んでいることは感じていました。県総体で野球部が優勝、サッカー部が準優勝となった時は“自分たちも負けずに関東では一番になるぞ”という気持ちが強くなりました」と語ってくれました。また、野球部の主将・石崎翔斗(いしざきしょうと)(3年)さんは「サッカー部が大きな声を出していたら、僕たちももっと声を出すといった感じで意識し合い、互いに切磋琢磨してきた部分はあったと思います」と話してくれました。
チーム一丸で全国を勝ち取った野球部
早い時間帯に先制点を奪う攻撃的サッカー
サッカー部には、3年生15人、2年生8人、1年生17人が所属していました。2022年には、東葛飾地方中学校サッカー大会、千葉県中学校新人体育大会で優勝するなど、このチームになって好スタートを切りました。「1つ上の先輩たちが関東大会で敗れ全国大会に手が届かなかったこともあり、自分たちの代では全国大会出場を目標にしました。自分たちの代は、最初の5分、10分を大切にして、そこで1点でも2点でも取れるようなサッカーをしていこうと、練習時から常にそこを意識して取り組んでいました」と、後藤さんは教えてくれました。
チームをけん引した後藤主将
平田先生は「昨年の関東大会を経験した選手が7人残っていましたので、“常盤平から全国へ”というスローガンを立てて練習に励んできました。その中で千葉県大会の新人戦で優勝したことで、関東の強いチームと対戦する機会が増えました。その経験を選手たちがきちんと生かしてくれたのが、今回の全国出場につながった要因の1つだと思います」と話してくれました。後藤さんも、「練習試合や招待試合など、たくさん経験したことを夏の総体で生かせたことが全国へつながったと思います」とコメントしてくれました。また、平田先生は「全国大会出場のためには、支部予選、県大会は圧倒的な強さで勝ち抜かなければ関東大会を突破することができない」と考え、選手たちに“自分たちは強い”という意識を持って試合に臨むよう指導したそうです。
平田義人先生と選手たち
全国で貫いた常中のサッカースタイル
香川県で開催された第54回全国中学校サッカー大会では、1回戦で光明中学校(奈良県代表)と対戦し、3対0で勝利しました。「少し緊張もありましたが、仲間と声を掛け合いながら臨めて、自分たちのサッカーができました」と後藤さん。一方、平田先生は「大会の3日前に香川県に入りましたが、そのときは観光気分だなという雰囲気でした。しかし、翌日、現地の高校生と練習試合をし、そこで全員の目が覚めました。それがなければ1回戦も勝てなかったかもしれません」と秘話を教えてくれました。
続く2回戦では全国大会常連校の1つである山口県代表の高川学園中学校と対戦し、結果は0対6で敗戦。後藤さんは「学校名と相手の雰囲気にのまれてしまい、自分たちのプレーができなかった」と語り、平田先生は「全国大会で勝ち上がるというところまで目標を定めきれていなかったのかなと。県大会からすべて開始5分で先制点を奪う試合展開をしてきました。しかしこのときは開始4分で相手に先制点を許してしまった。その後チャンスもありましたが、相手を崩し切ることができませんでした。それでも勝つためには点を取らないといけませんし、自分たちの攻めるサッカーを貫いた結果なので悔いはありません」と振り返ってくれました。
1時間のキャッチボールがチームの成長に
野球部は、千葉県新人戦で3位という悔しいスタートになりました。そこから、“全国大会出場”という目標に向けて、キャッチボールを中心に基礎となる部分を鍛え上げたそうです。「新人戦では自分たちのミスが原因で負けてしまった。普段から基礎をしっかりやるように先生からは指導されていましたが、より高い意識をもって取り組むようになりました(石崎さん)」。
野球部は毎日、キャッチボールメニューを約1時間行っています。これは小学生から野球を続け、大学時代には全国大会にも出場した東京都葛飾区立水元中学校で指導した鈴木先生の経験が影響しているそうです。「何てことのないミスをして負けてしまった経験が多い。それは大学時代に指導していたチームでも同じでした。だから投げる・捕るという野球の基礎をしっかり身につけるためには、キャッチボールなどの毎日の反復練習を行い、細かい部分までこだわって練習に取り組むことが大事だと思っています。」
チームの精神的支柱となった石崎主将
鈴木慎吾先生(中央)と選手たち
選手に意識づけをした中でキャッチボールを行ったことで、16年ぶりの優勝を果たした関東大会では“エラー0”という偉大な記録も残しました。鈴木先生はこの記録に「県大会、関東大会の結果を見ると、コールド勝ちも多く“打”のチームと思われがちですが、守りから流れをつくり、機動力を生かせるチームにしたかった。それができたのは良かったです」と話してくれました。
23人の3年生が同じ方向を向いてくれた
チームが大きく成長した裏には、23人いた3年生全員が全国大会出場という目標に向かって同じ方向を向いてくれたことも大きかったと鈴木先生は話します。「私はこの学校に赴任して3年目で、3年生とは1年目から一緒の時間を過ごしてきました。その中で、どういうチームにしたいかもたくさん話してきました。大会でベンチ入りできるメンバーは18人なので、必ず漏れてしまう選手がいる。そういう状況の中でも、主将の石崎が中心になって全員の心が1つになり、ベンチに入れないメンバーも全力で応援してくれました。そこには保護者や関係者の支えもありましたので、全ての方に感謝しかありません」
3年生だけでなく2年生8人、1年生14人とチーム全体をまとめてきた石崎さん。強いキャプテンシーの持ち主で、周りに恥ずかしくない行動をとるように心掛けていたそうです。「僕自身ができていなければ、人に指摘することはできないと思いました。そこで自分に厳しくできたことも、自分の成長にもつながりましたし、強みにもなりました」
関東大会の決勝戦は、東京ドームで開催されました。全国大会出場が決まった上に、憧れの球場で野球をできたことについて、石崎さんは「頑張ってきたご褒美だと思います」と笑顔で話してくれました。
憧れの東京ドームで関東一に輝いた常盤平中学校野球部
後輩たちにも努力して頑張ってほしい
中学生最後の年に目標を達成した3年生がチームを去り、野球部とサッカー部は新体制となってすでに新たなスタートを切っています。どちらも2年連続での全国大会出場を目指していますが、現チームの状況は少し異なるようです。
サッカー部を指導する平田先生は「3年生が全国大会に出場したことで、1・2年生は自分たちもという気持ちが強くなっています。あとは3年生がいたときのように、今の2年生、1年生もチーム全員が同じ目標に向かって日々努力を続けていけるかがポイントになると思います」と話してくれました。後藤さんは「つらい練習もあると思いますが、それを乗り越えていかなければ全国大会には出場できません。だから先生の言う事を信じて、努力を続けていってほしいです」と後輩にエールを送ってくれました。
野球部は、「技術的にまだまだ課題があり、大会では厳しい戦いになることが予想されます。そんな中でも礼儀や声出しなど、プレー以外の部分では、日本一と言ってもらえるようなチームにしていきたい。今は、“まずは日本一のウォーミングアップを目指そう”と話しています」と鈴木先生。石崎さんは後輩たちに向けて、「僕たちは全国大会出場という目標を達成できたという喜びがとても大きかった。だから後輩たちには、自分たちで考えた目標に向けてしっかり努力していってほしいです」とアドバイスを送ってくれました。
やることをやれば結果は勝手についてくる
平田先生、鈴木先生ともに、日ごろの努力が必ず結果につながるという信念を持ち、選手たちに指導を続けています。「サッカー部員は日々の練習に真剣に取り組むだけでなく、学級委員、委員会の委員長、体育祭応援団長など、学校生活でも中心となって一生懸命取り組んでいます。『やることをやれば結果は勝手についてくる』ということを、必ず選手たちには伝えています」と平田先生。「僕自身の年齢も若いので、選手たちとの距離は近いと思っています。その利点を生かすためにも、いい意味で選手たちとぶつかっていきながら、僕の考えをしっかり伝えていきたい。その中で生徒とのコミュニケーションを欠かさず、目標達成に向けて選手と共に精進していきたい」と鈴木先生は力を込めて語ってくれました。
先生と選手たちが信頼し合い、ともに目標へ向かっていく形ができあがった常盤平中学校の野球部とサッカー部。種目は違っても、互いに切磋琢磨し、目標へ向かって努力し、頑張り続けたことで見事に結果を出した今の3年生の礎は、これからも後輩たちに受け継がれていくことでしょう。
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