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全国に名を轟かせた松戸の運動系部活動〔2021年度〕

更新日:2022年3月18日

 2021年度、松戸市の学校の運動系部活動は全国規模の活躍を果たしました。春夏連続で甲子園に出場した専修大学松戸高等学校野球部の激闘は、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。ここでは、全国を舞台に活躍した松戸市内の中学校の運動系部活動をご紹介します。この中から、将来世界へと飛躍する逸材がいるかもしれません。

【駅伝】松戸市立常盤平中学校 駅伝部(男女)

ミサンガが叶えた県大会初のアベック優勝

 松戸市立常盤平中学校の駅伝部が、2021年に行われた「第72回千葉県中学校駅伝大会」「第36回千葉県中学校女子駅伝大会」で男女ともに初優勝を果たしました。同じ学校の男子・女子の両チームが同大会でアベック優勝するのは、松戸市として初の快挙でした。


松戸市立常盤平中学校 駅伝部(男女)

「ぼくたちは全国出場を目指す」名将の目標を越えたハードルを設定した男子

 男子駅伝部は、2020年の県大会は5位で「関東駅伝大会」と「全国中学駅伝大会」への出場が叶いませんでした。2021年度のチームは千葉県大会の初優勝、すなわち全国中学駅伝大会への初出場を目標にトレーニングを重ねてきました。「実は僕の目標は関東大会へ選手たちを連れていくことだったんです」と語るのは、同部の顧問を務める蓑和廣太朗先生です。松戸市出身で自身も学生時代に長距離走・駅伝にのめり込んだ蓑和先生は、2015年に東葛駅伝で58年ぶりに優勝した松戸市立小金中学校の駅伝部を指導した名将です。関東大会への出場権は、県大会の上位4チームまでに与えられます。つまり、県で4位以内に入ることを目標としていました。しかし、部員たちは監督の求める目標よりももっと高いところを目指し、選手全員が本気で県大会優勝と全国大会出場を目指していました。2021年の主力だった3年生のうち、3人が駅伝部(うち1人は兼部)で他のメンバーは他の部活動からスカウトしてきた逸材でした。


2位と1秒差で全国へのきっぷをつかむ

 松戸市内大会は難なく突破し、勝負の県大会を迎えました。戦前にライバルになるであろうと予想していた我孫子市立久寺家中学校、我孫子市立白山中学校と上位争いを繰り広げ、常盤平中学校が2区4区の区間賞で1位に立つと、レースは白山中学校とのデッドヒートの様相を呈します。4区は4秒差、5区は3秒差で最終アンカーの6区・川越 駿太朗さんに襷をつなげるも、白山中学校のアンカーも一歩も引かず、競り合いのまま最後のトラック勝負に突入しました。「バスケットボール部からの助っ人として負けられなかった。バスケはコロナの影響で大会がないまま引退になったので、駅伝ではこの先の大会に進みたい。絶対に前に出させない」という強い想いで走りぬき、最後は白山中学校に1秒差で競り勝ち、県大会の初優勝と全国大会の切符を手に入れました。劇的な優勝に、部員たちと蓑和先生、保護者はみな抱き合って喜んだそうです。
 その後行われた関東大会は2位、全国大会は5位という好成績を収めた男子駅伝部のキャプテン・波多野素暉さんは「みんなで走れて、襷をつなげられてよかった」と目標を叶えた喜びを述べていました。



2年生中心で走った全国大会、2022年度は3位以内を目指す

 女子駅伝部は、2020年が市内大会で5位で県大会に進むことができなかったところからチーム作りが始まりました。駅伝部員のみで構成された2021年チームの主力は2年生です。昨年は県大会に出場できなかったチームにも関わらず、目標に掲げたのは「県大会優勝」。成し遂げられる予感とその気持ちがあったという言葉通り、チームはめきめきと実力を伸ばし、チーム全体の底上げを感じられるくらいの成長をみせました。前年度5位に終わった市内大会を1位で突破すると、県大会では2位の市原市立有秋中学校に13秒差をつけて初優勝と全国大会への出場権を獲得しました。松戸市の女子チームとしては初の快挙でした。関東大会では2位となり、自信を持って臨んだ全国大会では19位に終わりましたが、確かな手応えを感じた女子駅伝部は、2022年度の目標として「全国大会3位以内」を掲げ、日夜トレーニングに励んでいます。

チームワークで2022年度も全国大会アベック出場へ

 「なぜ、アベック優勝が実現したのか?」その理由を蓑和先生に尋ねると、県大会前のある出来事を教えてくれました。「エントリーメンバーから外れた女子メンバーが、男女合わせて40人分くらいのミサンガを作ってくれたんです。これまで同じ練習をこなし常に同じ時間を過ごしていた生徒が、自分の時間を犠牲にしてまで仲間のためにミサンガを作ってくれるチームだったからこそ、夢が実現できたのだと思います。前日のミーティングから走るメンバー、そうでないメンバーもみんなでミサンガをつけて、優勝するという共通意識をもって大会に望めたことが一番の理由かもしれません。」常盤平中学校駅伝部は、これからも笑顔で走ることを楽しみながら、最高のチームワークを武器にまだまだ活躍し続けそうです。



【陸上男子3,000m】鈴木 琉胤(すずき るい)さん

サッカーと陸上、二刀流が引き寄せた全国1位

 陸上男子3,000mの全国中学チャンピオンはサッカー部員である――。にわかに信じられない偉業を成し遂げたのは、松戸市立小金北中学校3年の鈴木琉胤さんです。鈴木さんは、2021年8月に茨城県ひたちなか市で開催された第48回全日本中学校陸上競技選手権大会の男子3,000mに出場、8分35秒54のタイムをマークし優勝しました。

陸上部の誘いを断りサッカー部へ

 小学生時代に地域のクラブチームでサッカーに励んでいた鈴木さんは、仲間と「中学校で一緒にサッカーをやろう」と約束して進学しました。体育の授業で行われた長距離走で素質に目をつけた陸上部の顧問・岡崎崇典先生から部へ勧誘されたものの断り、約束通りサッカー部に入部しました。その一方で、陸上部とは別に秋から冬にかけて期間限定で活動する駅伝部には、サッカー部の大会と重ならない時期であることから参加しました。松戸市・野田市・柏市・流山市・我孫子市・鎌ケ谷市エリアの伝統ある大会「東葛駅伝(東葛飾地方中学校駅伝競走大会)」に中学1年で出場したことで駅伝の魅力に目覚めたものの、陸上部への勧誘を断った経緯もあり、サッカー部を辞めずに陸上にも携わることになりました。


二刀流を支えた恩師の特別練習メニュー

 二刀流と言えども、1週間の部活の比重は圧倒的にサッカー部でした。当初はサッカー部の練習が休みの月曜朝を陸上のトレーニングに割き、駅伝への責任感が増すにつれサッカー部の練習前に2~3km走る自主練をこなすようになりました。
 岡崎先生は「サッカーも陸上も」という鈴木さんの姿勢を後押しすべく、オリジナルの練習メニューを作成しました。「サッカーは辞めないという決意を最後まで貫き通してほしかったこともあり、サッカーの練習にどんな要素をプラスすれば陸上への効果が表れるか思案した」という岡崎先生の想いを受け取った鈴木さんは、結果が出るにつれ、陸上で全国を目指す意欲が日に日に高まっていきました。その結果、3,000mでの全国大会出場を勝ち取ったのです。


対策通りのレース展開だった全国大会

 全国大会ではどのようにレースを組み立てるかを岡崎先生と相談し、自分から先頭で集団を引っ張っていくと決めました。本番のおよそ1週間前に実業団のランナーに協力してもらい、残り1周で追い抜かれたケースを想定した練習に取り組んだところ、なんと本番で全く同じ展開を迎えました。「あの練習があったから焦らなかった」と語った鈴木さんは、残り100m付近で練習通り抜き返し、そのまま1位でゴールしました。

11月には中学歴代2位のタイムを記録

 中学での二刀流から高校ではランナーという生き方を選ぶことを決意した鈴木さんは、強い選手たちの中で研鑽される環境に身を置くべく、千葉県内の駅伝強豪校への進学を目指しています。現在も記録は伸びており、2021年11月23日に行われた「都道府駅伝選考会 千葉県中学男子3,000m」で中学歴代記録1位に0秒86差に迫る8分18秒70(歴代2位)をマークしました。「目標とするランナーは大迫傑さん。駅伝に取り組むからには箱根駅伝に出場したい」と将来像を描く鈴木さんの今後が楽しみです。

【野球】松戸市立第四中学校 軟式野球部

絶望と歓喜の2021年夏、幾重もの壁を乗り越えた全国3位

 松戸市立第四中学校 軟式野球部は、第38回全日本少年軟式野球大会で第3位という千葉県代表として史上最高の結果を手にしました。全日本少年軟式野球大会は、毎年横浜スタジアムを会場に開催される中学年代の大会です。中学単位のチームの他に都道府県を単位にした選抜チーム、地域単位のクラブチームの参加も可能で、「中学生の甲子園」と称されるほど野球少年にとって憧れの舞台です。新型コロナウイルス感染症の拡大に翻弄され続けた同部が、この大舞台で第3位という栄誉を獲得するまでには多くの壁が立ちはだかりました。


卒業した先輩たちの無念を晴らす全国大会出場

 1つ目の壁は「休校による部活動の停止」です。休校中、軟式野球部の公式活動は停止となり、チームで練習する機会は失われてしまいました。その間、部員たちは個人で練習したり、近所の公園に自主的に集まったり様々な工夫をして鍛錬を継続したものの、2020年は大会が軒並み中止となり、1学年上の先輩たちは大会の出場が叶わぬまま卒業を余儀なくされました。
 コロナ禍の好転への願いと上級生の無念を晴らしたいという思いを抱きながら2021年度のチーム作りと練習を開始した同部は市大会・県大会・関東大会と勝ち進み、全日本大会38年の歴史の中で、千葉県初の単独チームでの全国大会出場を決めました。

大会中止の一報にこぼした涙

 8月中旬の全国大会への準備を進めていた最中、下火になっていたコロナ禍が再燃しました。遂には、開催地である神奈川県横浜市保土ケ谷区(東京オリンピック開催のため、会場が横浜スタジアムから保土ケ谷球場へ変更)への緊急事態宣言の発令による大会中止の連絡が届いてしまいました。生徒も監督も意気消沈し、学校に集まった翌日はみんなで泣いたそうです。奇跡を信じて大会予定日まで練習を続けるか、それとも次の練習試合で引退するか。監督の問いに部員たちは練習の継続を選びました。これまでに大会の決定が覆ったことはなく、ほぼ絶望的な状態でしたが、願わざるを得ない状況でした。


会場・日程変更で全国大会の開催が決定

 その願いが通じたのか、大会や全国の学校・チーム関係者の尽力によって開催地を長崎に変更、開催日程を後ろ倒しする形で2年ぶりの大会開催が決定しました。大どんでん返しに、部員・先生ともに大喜びしました。しかし、出場権を獲得しているものの「確実に出場できるわけではない」と現実に引き戻されます。大会までの間、PCR検査で新型コロナの陽性者が本人・家族に1人でも出てしまうと出場できなくなってしまうのです。細心の注意を払う日々の努力が実り、1人の陽性者も出さず念願の全国大会へと辿り着きました。


公立中学校唯一の準決勝進出、全国3位

 広島県の強豪・府中オーシャンズとの初戦を2-0の完封試合で乗り越えると、2回戦の横浜市立境木中学校戦は打線が爆発して6-1で勝利し、準決勝まで勝ち進みました。準決勝では滋賀県代表のオセアンJBoy'sに惜しくも破れましたが、公立中学校では唯一準決勝まで進出し、全国3位という結果を勝ち取りました。
 波乱の2週間をともに乗り越えた仲間たちとの野球は、ここで一旦終了です。キャプテンの齋藤紘さんは、「チームメイトとは離れ離れになるけれど、今度はライバルとしてみんなと戦えることが楽しみ」と新たな挑戦に期待を膨らませていました。次の舞台は高校野球、そして甲子園です。


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