人工股関節置換術の長期臨床成績の検討

1981年から2023年3月までに当院で人工股関節置換術を施行した症例

但し、臨床データが不十分な症例および研究への参加同意が得られない症例は除外します。

　変形性股関節症などの股関節疾患に対する手術療法として、人工股関節置換術の有効性および安全性はこれまで数多くの研究論文によって報告され、その中でもセメントを用いた人工股関節置換術は世界的にも長期の安定した臨床成績が報告されています。当院では 1981年以降3000例以上の人工股関節置換術の手術を行い、セメントを用いた人工股関節を数多く実施してきましたが、今後もさらに安全かつ有効な治療を提供するために、これまでの臨床データを調査、分析していく事が重要となります。

　今回は、これまでに施行した人工股関節置換術の臨床成績をX線学的資料を含めて後ろ向きに調査・解析し、学会での報告および論文投稿を通して、今後のより良い手術方法およびインプラント選択の一助になることを研究の目的としています。

当院の手術の実績に基づき、3,000例を目標症例数とします。　

2023年4月17日から2025年3月31日（継続申請予定）

　当院で施行した人工股関節置換術術後の患者さんを対象に電子カルテ上でその医療情報を後ろ向きに調査します。

　研究開始前から存在する対象者の既存資料（主にカルテと画像データ）についての同意は外来にて文書で提示するとともに、当センターのホームページに研究内容を公開し、オプトアウトを用いて承諾を得ます。
　さらに対象者が当院に来院した時、可能な限り承諾を得ます。また何時でも自らの意志により同意を撤回できることを説明し、同意撤回書を用意します。

　年齢、性別、身長、体重、手術方法、使用インプラント、術前後の臨床成績、合併症の有無、再置換術の有無、画像データを後ろ向きに調査し、統計学的解析を含めて評価します。
　なお、臨床成績は日本整形外科学会股関節機能判定基準を用いて評価し、合併症は深部感染・脱臼・インプラント周囲骨折の有無を、画像データはインプラントの固定性・ステム沈下量・骨皮質の肥厚・骨融解像・stress shieldingについて調査します。

　以下の基準のいずれかを満たす場合

1. 登録後に適格性を満足しないことが判明した場合
2. 研究への参加同意が得られない場合
3. 研究全体が中止された場合
4. その他の理由により、医師が研究を中止することが適当と判断した場合

通常の股関節手術と同様であり、対象者への心身に及ぼす危険性の増加はないものと思われます。

　この研究は既存資料を用いた後ろ向き研究であるため、新たな医療行為の介入はなく、直接的に個人情報と未来永劫結びつかない資料を用いる研究であるため、個人情報を厳重に管理する手続き、設備、体制等を整備する事により、患者さん（研究対象者）への不利益が生じる事は極めて低いものと考えられます。
　また、有害事象に対する治療が必要となった場合には、対象者にその旨を伝えます。

研究実施に係る生データ類を取扱う際は、対象者の秘密保護に十分配慮します。病院外に提出する症例報告書等では、対象者識別コード等を用いて行います。研究の結果を公表する際は、対象者を特定できる情報を含まないようにします。研究の目的以外に、研究で得られた対象者のデータを使用しません。
　

有害事象発生時の対処方法：速やかに適切な診察と処置を行います。
　

• 個人の同定や照会は、承諾時に決定される番号を用いて行われます。氏名などを、第三者が当該施設の職員やデータベースへの不正アクセスを介さずに直接患者さんを識別できる情報が、施設外のデータベースに登録されることはありません。
• 研究結果を公表する際は、個人を特定できる情報を含まないようにします。
• 利用目的の達成に必要な範囲を超えて、研究で得られた対象者のデータ等を含む個人情報は取り扱いません。
  

　責任医師は、研究等の実施にかかわる必須文書（申請書類の控、研究院長からの通知文書、各種申請書・報告書の控）を保存し、所定の期間（研究発表後5年）後に廃棄します。保管場所は松戸市立総合医療センター整形外科医局内の鍵のかかるロッカー内とします。
　

　責任医師または分担医師がこの研究更新時までに、対象症例の解析結果について国際・国内学会発表ならびに投稿論文にて発表します。

松戸市立総合医療センター整形外科

• 研究代表者：河本　泰成
• 分担責任者：鈴木　千穂

　
〒270-2296 松戸市千駄堀993の1
電話番号：047-712-2511（平日8時30分から17時）
FAX：047-712-2512

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