このページの先頭です
このページの本文へ移動

夏の高校野球開幕直前!4校を甲子園に導いた名将の素顔に迫る

更新日:2023年6月28日

専修大学松戸高等学校の育成方法やチームづくりの心得を紹介


 松戸市にある専修大学松戸高等学校硬式野球部は、2023年3月に行われた第95回記念選抜高等学校野球大会で春夏通じて初となる甲子園ベスト8入りを果たしました。7月には2021年以来2度目となる春夏連続での甲子園出場を目指して、毎年激戦が繰り広げられる千葉大会に挑みます。今回は、2007年からこのチームを率いる持丸修一監督をはじめ、4人の指導者にスポットを当て、選手の育成方針やチームづくりの心得などをご紹介します。

※この記事の内容は2023年6月時点のものです。

地元の選手の活躍こそが郷土への恩返し

 15年以上、同校野球部を指揮する持丸修一監督は、茨城県藤代町の出身で、茨城県立竜ケ崎第一高等学校在籍時代には選手として甲子園出場を果たしています。大学卒業後には母校の教員となり、野球部の監督を務めチームを甲子園出場に導き、その後赴任した茨城県立藤代高等学校でも野球部を甲子園初出場に導きました。2003年には、中学時代の恩師・木内幸男氏の後任として常総学院高等学校野球部の監督を務め、ここでも甲子園で指揮を執りました。そして2007年11月に専修大学松戸高等学校野球部の監督となり、2015年に同校初、松戸市としても初となる甲子園初出場に導いています。

 監督として異なる4つの学校を甲子園出場に導いた指導者は戦後わずか2人しかおらず、これだけでも、持丸監督の指導力の高さがうかがえます。長きに渡り高校野球と向き合ってきた持丸監督は、「“高校野球”は、母校愛や郷土愛といったようなものを育みながら、地元と一体になってやっていくスポーツだと思っています」と話してくれました。

 野球に限らず多くの高校スポーツでは、全国各地から生徒が集まってくる学校も多く存在します。しかし、同校野球部には松戸市内をはじめ近隣の市区町村から通う選手が大半を占めています。その理由は、先程の監督の言葉にありました。「遠方から選手を集めることを否定しているわけではありません。本校に寮がないこともありますが、あくまでも私の考えとして地元の子どもたちが頑張っている姿を地域の人たちに見てもらうことが、学校としても、郷土に対してもいいのかなと思っているだけです」。

 学校愛、郷土愛を重んじる持丸監督は、日頃から選手たちには“全力で手を抜くことなく、できることをしっかりやろう”と話しています。「野球だけやればいいということではないので、通常の学校生活も大切にしています。練習時間も他に比べたら短いと思う。そんな中でも甲子園出場を目指すのであれば、全員が同じ方向に向かって全力を尽くすしかありません」。持丸監督のこの考え方は選手にも浸透しており、試合に出る出ないは関係なく、選手全員が同じ気持ちで練習に取り組んでいるそうです。


細かくアドバイスを送る持丸監督

人間性が評価される大人になってほしい

 持丸監督の教え子には、千葉ロッテマリーンズの美馬学投手(藤代高卒)、横山陸人投手(専修大松戸高卒)、北海道日本ハムファイターズの上沢直之投手(同高卒)、福岡ソフトバンクホークスの高橋礼投手(同校卒)など、多数のプロ野球選手がいます。自身73回目の誕生日となった2021年4月17日には、美馬投手、上沢投手、高橋投手の3人が勝利投手になったこともありました。プロの世界で活躍する選手たちの姿に喜びを感じる一方で、もっと嬉しいことがあると持丸監督は教えてくれました。
 「野球に限らず、自分の教え子が人間性を褒められるのが一番嬉しいです。高校生活では“甲子園出場”という目標があるので、勝ちたいとか野球が上手くなりたいという気持ちになるのは当然のこと。でも、彼らの人生は野球をしている高校生活よりもずっと長い。普段の学校生活はもちろん、野球を通して人間形成をして、周りから人間的にすばらしいと言ってもらえるような大人になっていってほしい。この学校で色んな経験をして、“専松で野球をやって良かった”と思ってもらえたら、それ以上に嬉しいことはない」と話してくれました。


 監督の信念は他の指導者にも共通しています。森岡健太郎部長は「3年生の中には、高校までで野球をやめる選手もいる。だから高校3年間の取り組み方には悔いを残してほしくないです」と語り、「プロ野球選手になれたからすごいのではなく、プロ野球でも他の分野でも、それぞれが選んだ道で頑張れることがすごいことなので。どんな分野においても、ここでの経験を活かして頑張れて、周囲から頼られる人間になっていってほしいです」と話してくれました。

大切なのは選手たちとのコミュニケーション

 前任の常総学院高等学校で持丸監督の下、コーチを務めていた小林一也コーチは「当然ながら、選手はそれぞれ性格も違いますし、家庭環境も異なります。でも、みんな野球が大好きで一生懸命な選手ばかり。だから、全員が同じ目標に向かって1つになっていけるよう、僕たちがしっかり選手たちと密にコミュニケーションを取ることを大切にしています」と教えてくれました。

 また、自身も持丸監督の教え子である清原博城コーチは「監督は選手の立場で話をしてくれます。そこが本当にすばらしいところ。それも選手たちは感じ取っているはずです」と話します。日頃から選手の練習を見ているマネージャーの北川詩温(しおん)さん(3年)は、「いつも監督が選手だけでなく私たちマネージャーにも気軽に話しかけてくれているので、コミュニケーションを取りやすい雰囲気づくりが普段からできていると感じます」と笑顔で話してくれました。

アドバイスを自分のものにするのは選手自身

 同校野球部の練習は、実戦的なメニューが多く組まれています。その理由を清原コーチに伺うと「守備練習でランナーを走らせるのは、全員が1つのボールにフォーカスできるからです。ポジションごとでシートノックをすると、ボールを受ける選手だけの練習になってしまいがち。ランナーをおいてこういうケースはアウトになるとか、セーフになるとか、全員が同じ認識を持つようにという考えがあります」と教えてくれました。

 その背景には、普段の練習や実戦を通して選手たちに考えさせるという持丸監督の指導方針があります。「選手にアドバイスをしてから、変化が見えるまでは何も言わないようにしています。こちらの話を聞いて何かを見つけるのは選手ですから。それは技術面だけでなく気持ちの面も同じ。だから、我々がつきっきりになって、“ああしろ、こうしろ”とは言いません(持丸監督)」。

 現チームの中でこの指導の下、大きく成長しているのがプロ注目の存在となった平野大地投手です。中学時代は控え捕手だった平野投手が、監督の助言を受けて自分で考えて投手へ転向することを決意し、今年の春のセンバツで完封勝利を挙げるなど、目覚ましい成長を遂げています。

 また、「日々同じ練習の繰り返しになることが多いのですが、内容は同じであっても異なる気持ちで挑んでもらいたい。同じキャッチボールでも、意識を変えれば何か発見することもあるので」と持丸監督は話してくれました。

チームのフラットな雰囲気づくりと一体感

 誰が言うのでもなく、上級生が率先して掃除や雑用を行っています。そうした姿を見た下級生たちには自然と“誰かのために”“チームのために”の精神が浸透しています。「選手全員が一体となって分け隔てなく野球に打ち込める環境がつくられているのが、専修大学松戸高等学校の伝統であり、それが人間的にも成長できる強さなのかもしれません」と、森岡部長は話してくれました。

過去は過去、今の力を精いっぱい発揮したい

 2年ぶり2度目の春夏連続出場を目指す第105回全国高等学校野球選手権記念千葉大会は、7月8日(土曜)に開幕し、同校の初戦は7月11日(火曜)にZOZOマリンスタジアムで予定されています。

 大会を目前に控えて、持丸監督は「千葉県予選は実績や経験を抜きにして、自分たちの力を出し切って勝ちたい。力を出して負けたのなら仕方ないので。とは言え、春には甲子園で2度勝ったので夏はそれ以上勝ちたい気持ちも強いですから、予選で負けることは考えず、今まで以上の力をつけて千葉県予選を勝ち抜きたいと思います」と力強く意気込みを語ってくれました。


夕方のグラウンドで練習がスタート


 甲子園常連校と呼ばれる高校には、100人以上の部員がいる学校もあります。それに比べて同校の部員は約50人と決して多くありません。しかし、全部員に目が行き届いた指導をするには、1学年15人程度が理想だと、4人の指導者が口を揃えて教えてくれました。その上で「大事なのは、全部員が同じ目標に向かって努力を続けていくこと、また、個々が場面に応じて自分の役割を考えたり、皆で話し合ったり、練習時から緊張感をもって取り組むこと」と、小林コーチは話します。

 持丸監督の指導方針に導かれ、築き上げてきたチームの一体感、質の高い練習や野球に集中できる環境づくり…。こうした一つひとつが、近年、同校野球部の躍進につながり、今春のセンバツ(甲子園)でベスト8となった要因であることは間違いありません。

 持丸監督の下、次々に学校の歴史を塗り替えている同校野球部が、春・夏合わせて5度目の甲子園出場を勝ち取れるか、今後も同校の野球から目が離せません。

関連リンク

専修大学松戸高等学校が2回目の春のセンバツ出場へ

専修大学松戸高等学校が念願の春のセンバツ初勝利!!

専修大学松戸高等学校が春のセンバツ2勝目で初のベスト8進出!!

専修大学松戸高等学校が春の甲子園(センバツ)で大躍進!

スポーツの活躍

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。専修大学松戸高等学校(外部リンク)

お問い合わせ

総合政策部 広報広聴課 シティプロモーション担当室

千葉県松戸市根本387番地の5 新館5階
電話番号:047-366-7320 FAX:047-362-6162

本文ここまで

サブナビゲーションここから

お気に入り

編集

よくある質問FAQ

情報が見つからないときは

English(英語)

中文(中国語)

한국 (韓国語)

Tiếng Việt (ベトナム語)

Español (スペイン語)

Português (ポルトガル語)

サブナビゲーションここまで