このページの先頭です
このページの本文へ移動

広報まつど2022年3月15日号 バブリ・アシュラフさん

更新日:2022年3月15日

アフガンの女性を支援し、松戸に母国の味を

有限会社アフガンサフラン代表取締役 バブリ・アシュラフさん

 「金銭的な支援も重要ですが、何もしていないのにもらえたお金は、もっと欲しがるだけになってしまいます。仕事の対価として得るのが大事です」。そう語るのは、市内でアフガニスタンの商品を扱う店を営むバブリ・アシュラフさん。駐日アフガニスタン大使館の職員でもあります。扱っているのは、同国で生産されたサフランなどのスパイス、ドライフルーツ、ナッツ、ハーブティーなど、どれも現地の適正価格(フェアトレード)で日本に直輸入したものです。
 「小さい頃から、女性だからという理由で外出に制限があったり、仕事ができなかったりした母の姿を見て、女性だけ制約が多いのが不思議でした」と、母国での女性の地位の低さに疑問を持っていたバブリさん。「女性が働けず、男性の稼ぎに頼らざるを得ないため、どうしても男性が優位になるんです。女性も働いて自分で収入を得るようになると、周囲の扱いが変わります」と、男女の格差は経済面の影響が強いことに気づき、女性の就労を支援すべきという考えに至ります。アフガニスタンはかつて麻薬であるアヘンの輸出が大きな収入源でしたが、今ではこれを改め、サフランの栽培・輸出に転換しています。この栽培を女性の仕事として進めるため、日本への輸出を始めたと言います。
 このような活動を始めようと思ったきっかけは、大使館職員として勤務していた日本で東日本大震災を経験したこと。「日本人は大災害の中でも、自分たちで支え合って困難を乗り越えようとしていました。私も、母国のために何かしなければと思うようになりました」と、バブリさん。母国にサフランの工場を設立し、母子家庭の母親を雇用し事業を始めました。その後、日本人の妻から「お土産で持ってくるアフガニスタンのドライフルーツがとてもおいしい」と言われ、日本への輸出品に追加。「実はナッツやドライフルーツは、アフガニスタンの一番の輸出品なんですが、日本にはほとんど輸出していませんでした。しかし実際に販売してみたら、とても人気なんです」と教えてくれました。
 子どもが産まれ、上矢切に転居してきたバブリさん。その決め手は、自然が多く交通量が少ない土地だったこと。「あと、ネギがとてもおいしい!」と笑顔を見せてくれました。「母国だけでなく、今住んでいる松戸にも貢献したいと思っています」と言うように、商品のパッケージを市内の福祉作業所に依頼しているそうです。「松戸は第二の故郷。母国の女性を支援しながら、市内の活性化にも協力したいです。今年も中止になりましたが、次回の松戸宿河津桜まつりには出店したいですね」と地域への順応に意欲を見せます。
 母国ではタリバン政権の影響もあり、女性に対する制限が強まっています。「女性の外出が難しくなってきているので、家でも作れる刺しゅうの作品を販売しようと思っています。アフガニスタンの伝統工芸品です」と、情勢の変化にも柔軟に対応します。「仕事が忙しければ戦争は起きません。日本人がそうでしょう?仕事があることは、とても大事なんです」。就労支援こそが平和につながると信じ、バブリさんの挑戦は続きます。

関連リンク

広報まつどNo.1732 2022年3月15日号

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。アフガンサフラン公式ホームページ

お問い合わせ

総合政策部 広報広聴課(広報担当)

千葉県松戸市根本387番地の5 新館5階
電話番号:047-366-7320 FAX:047-362-6162

本文ここまで