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松戸市 MATSUDO CITY
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松戸市立総合医療センター Matsudo City General Hospital

〒270-2296 千葉県松戸市千駄堀993番地の1

電話:047-712-2511

FAX:047-712-2512


外科

更新日:2022年5月17日

外科について

  当科では、消化器疾患、乳腺疾患、その他一般外科疾患の患者さんを対象に7名の常勤医師と3名の非常勤医師に2名前後の初期臨床研修医が加わって診療しております。
胃がん、大腸がん、食道がん、肝臓がん、膵臓がん、胆道がん、乳がんなどの悪性疾患に対する治療を主軸に、胆石、ヘルニア、虫垂炎、肛門疾患などの良性疾患に対しても幅広く診療し、年間に約600件の手術を行っています。腹腔鏡を用いた手術を積極的に行うよう心がけており、高評価を得ております。
 日本内視鏡外科学会における審査で認定された技術認定取得者が手術に携わり、腹腔鏡下の鼡径ヘルニアの手術では術後2日で、胆石の手術では術後3日から4日で退院することが可能です。胃がんや大腸がんなどの悪性疾患に対する腹腔鏡下手術では術後7日から10日で退院することが可能です。食道裂孔ヘルニアや食道アカラシアなどの食道良性疾患に対しても積極的に腹腔鏡手術を行っております。腹部緊急疾患として急性虫垂炎、腸閉塞、胆石胆のう炎、腹膜炎についても迅速に対応しております。
 肝胆膵外科領域に於いては、2020年に当院は日本肝胆膵外科学会が定める高度技能専門医修練施設(B)に認定され、これまで以上に高難度肝胆膵悪性腫瘍手術に取り組んでおります。高度技能指導医、高度技能専門医が在勤しております。
 高齢化や飽食の時代である我が国において、外科治療が必要となる患者さんも心臓や肺に合併症を有したり、糖尿病や高脂血症などの代謝疾患を抱えたりする方が増加しておりますが、そのような患者さんに対しては循環器内科、呼吸器内科、代謝内科など複数の診療科との協力体制で手術・治療に当たっております。
 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本内視鏡外科学会、日本肝胆膵外科学会、 日本大腸肛門病学会、日本肝臓学会、日本胆道学会、 日本消化器病学会等の専門医・指導医を配し、特に地域がん診療連携拠点病院として、消化器内科、化学療法内科、放射線科、病理診断科と協力し、レベルの高いがん診療を目指しております。また、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本胆道学会の指導施設の指定を受けています。
 松戸市の公立病院として、市民の皆様が気軽に受診できるような体制を整え、安心で分かりやすい医療を提供することをモットーとして診療に取り組んでいます。

受診案内

外科の診療については、外来担当医表をご確認ください。
 外科 外来担当医表
 
 
受診に関する関連リンク

  

主な診療

消化管疾患

消化管とは食べ物の通り道を指し、口腔・咽頭・食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・肛門よりなりますが、我々外科では食道から肛門までの外科疾患、とくに悪性疾患(がん)の治療を行います。特に頻度が多いのが大腸がん、胃がん、食道がんで、検診の普及や消化管内視鏡の発達により早期に発見される患者さんが増えています。早期消化管がんに対しては、消化器内科で内視鏡的治療、すなわち内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が可能か検討しますが、組織型、深達度、肉眼形態によっては適応とならず手術の対象となります。また、EMRやESD後の病理組織診断結果によっては追加切除(手術)が必要となる場合があります。本項では食道がん胃がん大腸がんなどの悪性腫瘍について解説し、虫垂炎肛門疾患、食道裂孔ヘルニアや食道アカラシアなどの良性疾患については別項で解説します。

食道がん

食道がんの治療方法には(1)EMRやESDなどの内視鏡的切除、(2)手術、(3)化学療法(抗がん剤)、(4)放射線治療があります。その進行度(病期)により治療方法や治療成績は異なり、また治療法ごとにそれぞれ長所、短所がありますが、治療の中心が手術であることに変わりはありません。手術の場合に多く行われるのは、「食道亜全摘」と呼ばれる術式です。食道は上流(口側)から順に頚部食道・胸部食道・腹部食道に区分しますが、そのうち胸部~腹部食道を切除し、周囲のリンパ節も摘出します。切除後の食べ物の通り道の再建には主に胃を用います。胃を細く管状にし(胃管と呼びます)、頚部で頚部食道と吻合します。頚部、胸部、腹部の手術操作を必要とし、侵襲の大きな手術となりますので、周術期管理には医師・看護師・薬剤師・理学療法士・栄養士などがチームを組んで治療とケアにあたります。

胃がん

健診の普及により胃がんの罹患数は年々増加しておりますが、死亡数は横ばいで推移しており、2020年の人口動態統計(厚生労働省)では、悪性新生物による死亡における胃がんの死亡者数は男性では肺がんに次いで2位(27,771人)、女性では大腸がん、肺がん、膵がん、乳がんに続いて5位(14,548人)となっております。胃がんの治療方針決定に際しては、原則的に「胃癌治療ガイドライン」(日本胃癌学会 編)に沿って治療方針を決定します。進行度に応じて(1)EMRやESDなどの内視鏡的切除、(2)手術、(3)化学療法(抗がん剤)等の治療法を選択します。手術の場合、ガイドライン上は「ステージII、III胃がんに対する腹腔鏡下手術について、現時点では明確な推奨が出来ない」とされていますが、患者さんの状態や進行度によっては積極的に腹腔鏡下手術を行っています。根治手術後に再発のリスクがある患者さんに対しては補助化学療法を行って再発防止に努めます。リンパ節転移が高度の患者さんの場合は、術前化学療法後に手術を考慮する場合があります。切除不能や再発の患者さんに対しては化学療法内科と連携をとりながら種々の抗がん剤を用いた化学療法を行っております。

「胃がんに対する腹腔鏡下胃切除術」について

創が小さいため、術後の痛みも軽く、早期退院・社会復帰が可能です!

腹腔鏡手術とは

腹腔鏡手術はお腹に炭酸ガスを注入して膨らませ、腹腔鏡や手術器械をお腹に開けた数箇所(約5~12mm)の穴から挿入し、モニター画面を見ながら行う手術のことです。(下図参照)

腹腔鏡下胃切除術と腹腔鏡補助下胃切除術のイラスト
腹腔鏡下胃切除のイメージ

創の大きさの違い
利点
  1. 術後早期(術後2~3日)から食事が食べられ、入院期間が短い(術後約7~10日で退院可能)。
  2. 創が小さいため(右上写真)術後の痛みが少なく、術翌日から歩行可能。
  3. 術中出血量が少なく、術後の肺炎、腸閉塞などの合併症が少ない。
  4. 拡大視効果により、開腹手術と比較してより精緻なリンパ節郭清が可能とされる。
欠点
  1. 開腹手術と比べて手術時間が長い。
  2. 開腹手術の既往のため腹腔内の癒着がある場合は施行が困難。
適応

腹腔鏡下胃切除術の適応は、内視鏡的切除が困難で手術が必要な場合や術前のCT検査などで明らかなリンパ節転移を認めない場合などです。胃全摘や噴門側胃切除も腹腔鏡手術が可能です。当院では日本内視鏡外科学会における審査で認定された技術認定取得者が手術に携わり、安全に手術が行えます。(適応の詳細については外来にてご相談ください。)
 

大腸がん(結腸・直腸がん)

近年、我が国の大腸がんの罹患率、死亡数は著しく増加しております。2020年の人口動態統計(厚生労働省)では、悪性新生物による死亡における大腸がんの死亡者数は女性では最多(24,070人)、男性では肺がん、胃がんに次いで3位(27,718人)で、過去50年間におよそ10倍となり、治療を受ける患者さんも増加しております。大腸がんの治療方針決定に際しては、原則的に「大腸癌治療ガイドライン」(大腸癌研究会 編)に則ります。進行度に応じて(1)ポリペクトミー・EMR・ESDなどの内視鏡的切除、(2)手術、(3)化学療法(抗がん剤)等の治療法を選択します。手術の場合、リンパ節転移を伴う進行がんでも積極的に腹腔鏡下手術を行っております。
直腸がんの手術では自律神経の合併切除により排尿機能や性機能が犠牲となることがありますが、当院では根治性を保ちつつ神経温存に努め、排尿機能や性機能の温存を心がけています。骨盤の狭い男性や肥満の患者さん、あるいは腫瘍が大きい患者さんにおいては手術難度が上昇しますが、より根治性を保って手術を行う方法として近年注目されている経肛門的直腸間膜切除術(TaTME: Transanal total mesorectal exision)も導入しております。肝、肺転移を有する進行がんの場合、化学療法や放射線治療を組み合わせた集学的治療を行い、積極的に肝切除や肺切除を行うよう努めています。

「大腸がんの腹腔鏡手術」について

傷が小さく体のダメージが少ないので、早期に退院が可能です。当院では2000年より導入し、好成績を得ています。

腹腔鏡下大腸切除術について

炭酸ガスで腹部を膨らませて腹壁に数ヵ所小さな穴を開けて、腹腔鏡と鉗子や電気メスなどを入れて、モニター画像を見ながら大腸を切除します。開腹手術(おなかを切る手術)では、腹壁を大きく切開(20~30cm)し、腹腔内(おなかの中)を直接見て手を入れながら手術を行いますが、腹腔鏡手術では3~5cmの傷1か所、5mmの傷3か所、12mmの傷1か所で手術を行います。術後の傷あとは一見してほとんど分からなくなります。

(左写真:腹腔鏡手術、右写真:開腹手術)

適応となるのは?

早期がんが基本的な適応ですが、リンパ節転移を伴う進行がんであっても積極的に行っております。

特徴

体のダメージが少なく美容的で、術後約7~10日で退院可能で早期に社会復帰できます。さらに、腹腔鏡による拡大視効果があり、より繊細丁寧な手術が可能です。モニター画像をチーム全員の目で見て手術を行えます。

当院のCTによるシミュレーション

手術前の画像検査により血管の走行や腸のかたちなどを予め把握しており、安全確実な腹腔鏡手術が可能です。

手術の様子の画像

肝胆膵疾患

肝胆膵とは、肝臓、胆道、膵臓の消化管付属器のことをいいます。胆道とは、肝臓で作られた胆汁が十二指腸へ送られるまでの通り道のことであり、途中に胆汁を濃縮して貯蔵する胆のうがついています。これらの臓器は、消化や代謝にたずさわる重要な臓器です。外科で担当する肝胆膵疾患は、肝がん胆道がん(胆管がん・胆嚢がん・十二指腸乳頭部がん)膵がんなどの悪性腫瘍と、胆石症や胆嚢ポリープなどの良性疾患です。肝胆膵悪性腫瘍の外科手術は難易度が高いのが特徴ですが、当科では肝胆膵外科を専門としているスタッフを多く配しており、また2020年には高度技能専門医修練施設(B)に認定され、これまで以上に高難度肝胆膵悪性腫瘍手術に取り組んでおります。肝胆膵領域における腹腔鏡下手術の普及は消化管領域程進んではおりませんが、当科では原発性肝がんや転移性肝がんに対する肝部分切除や肝外側区域切除、低悪性度膵腫瘍に対する尾側膵切除を積極的に腹腔鏡で行っております。

肝がん

肝臓にはがんが発生することがあるのと同時に、他の部位に出来たがんの転移を受けやすい臓器でもあります。肝臓から発生したがんのことを原発性肝がんと呼び、他の部位から転移してきたものを転移性肝がんと呼びます。原発性肝がんのうち、9割以上を肝細胞がんという組織型が占めます。転移性肝がんで手術の対象となるのは多くの場合大腸がんの肝転移です。

肝細胞がん

肝細胞がんは、健康な肝臓に発生することはまれで、多くは何らかの障害を持った肝臓に発生します。以前はC型肝炎やB型肝炎などの肝炎ウイルス感染を背景に発生する頻度が多く認められましたが、近年は飲酒によるアルコール性肝障害や、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病や代謝性疾患を背景に発生する頻度が増えてきています。肝細胞がんの治療に際してはがんの病期と肝臓の予備能力を考慮して方針が決定されます。他のがんと比べ武器が多いのが特徴で、治療法の主なものには手術、焼灼療法(ラジオ波焼灼やエタノール注入など)、肝動脈塞栓療法などがあり、我々外科では手術を、消化器内科では焼灼療法と肝動脈塞栓療法を担当します。以前は肝細胞癌に対して有効性が期待できる薬物療法は限られておりましたが、近年の肝細胞癌に対する薬物療法の進歩には目を見張るものがあり、有望な薬物療法の登場と共に肝細胞癌に対する治療法の選択肢が増えています。

転移性肝がん(大腸がん肝転移)

大腸がん肝転移においては、治癒を目指す上でもっとも可能性が高い治療法が切除(手術)で、この点は肝細胞がんと異なります。従いまして大腸がん肝転移の患者さんに対しては可能な限り切除を目指します。切除不能な場合でも近年は有効な化学療法が登場し、化学療法を先行して腫瘍が縮小し、切除可能となる患者さんが増えてきています。肝臓は再生力がある臓器で切除しても再生肥大によって術後数週間でほぼ元の容積に戻ります。しかし限界を超えた切除が行われると術後肝不全となり生命に関わります。肝切除量が多く術後の肝不全が危惧される場合は、必要によって術前に門脈塞栓術[切除する側の肝臓の血管(門脈)を塞栓して人為的に機能低下させ、残る側の肝臓を代償的に肥大させて術後肝不全のリスクを低下させる方法]を行います。

胆道疾患

外科治療の対象となる胆道疾患には、胆管がん・胆嚢がん・十二指腸乳頭部がんなどの悪性疾患や胆石症、胆嚢ポリープ、総胆管拡張症、膵胆管合流異常症などの良性疾患があります。

胆嚢結石症・胆嚢ポリープ

胆嚢結石症の患者さんのほぼ全てに腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。術後は翌日から食事を開始し、3~4日で退院が出来ます。腹腔鏡下胆嚢摘出術は、多くの施設で標準的に安定して行われていますが、それでも1%未満の頻度で胆管損傷などの合併症が経験されます。胆管損傷をきたすと入院期間が長期となり、経過によっては重篤な後遺症を来すことがありますので、当科では術前に各種画像検査を行って胆道系の解剖を把握して手術に臨み、慎重に行っております。2017年12月の病院移転に伴い新たに腹腔鏡手術装置を導入し、術中蛍光胆道造影法が可能となりました。本法は、術中に胆管の走行を蛍光でとらえるもので、術中胆道損傷の予防に役立っております。

「胆嚢ポリープ」について

腹部超音波検査が普及して胆嚢ポリープなどの胆嚢小隆起性病変を指摘される方が増えてきました。胆嚢ポリープには腫瘍性と非腫瘍性があります。非腫瘍性ポリープ(コレステロールポリープや過形成ポリープなど)の多くは10mm以下で経過観察で問題ありません。10mm以上になると、形態にもよりますが、腺腫やがんなどの腫瘍性ポリープの場合があり、切除の対象となります。当科ではがんの可能性がある胆嚢ポリープの場合は「腹腔鏡下胆嚢全層切除」にて腫瘍に切り込まないような手術を行っておりますので、胆嚢ポリープと言われてご不安な場合は当科へいらしてご相談下さい。

胆道がん(胆管がん・胆嚢がん・十二指腸乳頭部がん)

胆管がんや十二指腸乳頭部がんでは腫瘍の増大によって胆汁の流れ道が塞がれ、多くの患者さんが黄疸で発見されます。胆嚢がんは出来た部位によって症状が異なり、胆管がんのように黄疸で発見される場合もありますし、肝臓側に進展して腹部腫瘤で発見される場合もあります。近年は検診の普及により血液検査で肝機能異常を指摘されたり、腹部超音波で胆嚢内隆起性病変や胆管拡張を指摘されたりして発見される患者さんも増えています。黄疸で発症した患者さんでは、通常術前の検査と同時に黄疸の治療も必要になるため、検査の段階から入院が必要となります。胆道がんは切除できることが唯一根治への可能性につながるため、積極的に手術を目指します。腫瘍が出来た部位によって手術方法は異なりますが、多くの場合で胆管や胆嚢だけでなく肝臓や膵臓と共に切除する術式が必要になります。また、胆管は消化管と比較して壁が薄い上に、周囲には肝動脈や門脈などの重要な血管が取り巻いていて血管浸潤を来しやすく、血管合併切除が必要となる場合もあります。このような難易度の高い術式も積極的に行っております。

膵疾患(膵がん・IPMNなど)

外科治療の対象となる膵疾患の多くは悪性腫瘍の膵がんですが、低悪性度の膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm: IPMN)も近年は増加しています。膵がんは生物学的悪性度が高く早期発見が困難なため、多くの患者さんが進行した状態で発見されます。2020年の人口動態統計(厚生労働省)では、悪性新生物による死亡における膵がんの死亡者数は男性では肺がん、胃がん、大腸がんに次いで4位( 18,880人)、女性では大腸がん、肺がんに次いで3位( 18,797人)となっております。膵頭部に腫瘍が出来ると膵頭部内の胆管が閉塞して黄疸で発症する場合が多く、膵体尾部に発生した場合は背部の神経に浸潤して疼痛で発症する患者さんが多く認められます。膵がんも胆道がんと同様に切除できることが唯一根治への可能性につながるため、積極的に手術を目指します。膵頭部に腫瘍がある場合は膵頭十二指腸切除術、膵体尾部に腫瘍がある場合は膵体尾部切除が選択されます。膵臓の周りには、腹腔動脈・上腸間膜動脈・上腸間膜静脈などの重要な血管があり、これらは膵がんの進行に伴い容易に浸潤を受け、血管合併切除が必要となったり、場合によっては切除不能と判定されたりする患者さんもいます。胆道がんと同様に難易度の高い術式も行っております。膵がんでは、腫瘍の縮小が期待できる化学療法が存在し、局所進行により切除不能と判定された患者さんに対しては積極的に化学療法を行って腫瘍を縮小させ、切除可能となった患者さんに対して手術を行うよう心がけています。低悪性度のIPMNでも、悪性化して膵実質へ浸潤すると膵がんと同様の進展形式をとると言われており、悪性化が疑われる患者さんに対しては手術をお勧めしております。

乳腺疾患

乳腺疾患の治療の主軸は乳がんの治療です。乳がんの治療では手術・放射線治療・ホルモン療法・化学療法を組み合わせた集学的治療が行われており、専門的な知識が必要です。かつての胸筋合併乳房切除から胸筋温存手術・乳房温存手術へ、センチネルリンパ節の概念の登場による腋窩郭清の省略など、乳がん手術は時代と共に縮小化されています。乳がんは女性ホルモンの刺激により増大する性質があるので、腫瘍組織中のホルモン受容体の発現状況を調べます。近年はホルモン受容体に加えHER2という遺伝子の発現状況も調べ、患者さんをタイプ分けしてそれに応じて治療を行うという、いわゆるオーダーメード治療が行われるようになりました。当科では2018年度より非常勤の乳腺専門医を配してこの複雑な乳がん治療を行っており、化学療法内科や放射線科との連携によりスムーズで良好な治療が行えるようになっています。

「乳房のシコリ」について

乳房のシコリを心配して外科外来を受診される方は大勢いらっしゃいますが、ここで乳房にシコリの出来る代表的な疾患について説明します。

1. 繊維腺腫

好発年齢は20歳から35歳代です。シコリの境界は分かり易く、形は球状ないし卵円形で、表面は平滑です。可動性は良好で、皮膚にえくぼ様変化はみられません。シコリの痛みはありません。治療法は切除ですが経過観察ですませる場合も多いです。

2. 乳腺症

好発年齢は35歳から50歳代です。1側ないし両側の乳房にシコリあるいは硬結を認めます。腫瘤様の硬結は平板状、円盤状であり、境界はわかりづらいです。表面は粗大顆粒状を示し、可動性は良好です。触診ではがんとの区別がつかない場合もしばしば見られます。皮膚にはえくぼ様変化はみられません。乳腺症の特徴として乳房の痛みがあります。自発痛ないし圧痛です。痛みは生理前に増強し、生理終了後に軽減することが多いです。時には乳頭からの分泌をみることもあります。分泌液の性状は漿液性、乳汁様、水様のことが多いです。乳腺症の原因はわかっていませんが、乳腺症が中年期に好発し、閉経後に減少することから内分泌的要因が関係していると考えられています。治療は特に行わず、慎重に経過を観察します。

3. 乳がん

好発年齢は40歳から60歳代です。シコリの境界は比較的分かり易く、形は不正形、表面には軽い凹凸があります。シコリは固く、時に皮膚にえくぼ様変化が見られることもあります。 血性の乳頭分泌がみられることもあります。がんが進行すると乳頭の陥没、皮膚浸潤や発赤が見られシコリの可動性がなくなります。乳がんのシコリは痛まない場合が多いです。主な治療法は手術で、補助療法として放射線治療、薬物治療があります。

以上、代表的な3疾患について説明しましたが、症状等はあくまでも目安ですので、心配な方は外科外来を受診してください。

その他の良性疾患

外科で治療を行う良性疾患の主なものは胆石鼡径ヘルニア虫垂炎、痔核や痔瘻などの肛門疾患食道裂孔ヘルニア食道アカラシアなどです。胆石については別項をご参照下さい。

鼡径ヘルニア

一般的にいう「脱腸」のことです。子供にもみられますが、むしろ成人に多く、手術以外の治療方法はありません。「鼡径部」とは、太ももの付け根の部分のことをいい、「ヘルニア」とは、体内の臓器などが本来あるべき部位からはみ出した状態のことをいいます。鼡径ヘルニアとは、お腹の中に収まっている臓器が、加齢などによって弱くなった鼡径部の筋膜の間からはみ出して皮膚の下に出てきてしまう疾患で、通常出てくるものが腸なので「脱腸」と呼ばれます。

1. 症状

立位時やお腹の力を入れたときに鼡径部の皮膚の下に柔らかい膨隆が出来ます。不快感や痛みを伴うこともあります。多くの場合、仰向けになってお腹の力を抜いて押し込めば元に戻りますので急を要しませんが、固くなって押しても元に戻らなくなった状態を嵌頓(かんとん)といい、そのままにしておくと腸閉塞となって嘔吐を繰り返すことがあり、また腸が壊死を起こす危険があるため緊急手術が必要となります。

2. 鼡径ヘルニアの種類と起こしやすい方

飛び出し方によって「外鼡径ヘルニア」、「内鼡径ヘルニア」があり、鼡径部の下の方から飛び出す「大腿ヘルニア」もあります。鼡径ヘルニアは40歳以上の男性に多くみられます。また腹圧がかかりやすい状態、すなわち立ち仕事に従事する方、咳をよくする方、喘息の方、便秘がちの方などに多くみられます。大腿ヘルニアは中年以降、やせ形で出産回数の多い女性に多くみられます。

3. 治療法

いったんヘルニアを発症してしまうと手術以外の治療法はありません。ヘルニアバンドやサポーターのような装具がありますが、脱出を押さえ込むだけのものなので根本的な治療とはなりません。特別な場合を除いて手術後の入院期間は2日程度で、良好な成績を収めています。

4. 手術方法

腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術(TAPP法)

2013年から当院で導入している手術方法です。腹腔鏡でお腹の中からヘルニアが飛び出す部分を観察すると、その部分は「穴」として認められ、その「穴」に内側からメッシュをあてて補強する方法です。また、鼡径ヘルニアになりやすい部分:「外鼡径ヘルニア」、「内鼡径ヘルニア」、「大腿ヘルニア」を腹腔鏡手術では全て同時にしっかり覆うことが出来ます。全身麻酔が必要になり手術時間も多少長くかかりますが、確実な修復が出来るので、現在当院では鼡径ヘルニアの患者さんには原則として腹腔鏡下ヘルニア修復術を行っております。

前方アプローチ法(鼡径法)によるヘルニア修復術

腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術を導入する以前までは膨隆している部分を切開して手術(前方アプローチ)を行っておりました。メッシュを用いて腹壁を補強する方法と用いない方法があります。
【メッシュを用いない方法】
メッシュを用いる方法が普及する前の1990年代前半までは、弱くなった腹壁を縫い縮めて隙間を塞ぐ方法(Bassini法、McVay法、Iliopubic tract repair法など)が行われましたが、術後に「つっぱり」が生じて痛みの原因となったり、新たに隙間が出来て再発したりするなどの問題があり、現在は待機手術では殆ど行わず、嵌頓時の緊急手術で創部が腸液などで汚染されて感染のリスクが高い場合に行うなど限定的です。
【メッシュを用いる方法】
腹壁の弱くなったところを人工の補強剤(メッシュ)を用いて修復する方法です。メッシュの種類によって「メッシュ・プラグ法」、「Prolene Hernia System法: PHS法」、「ダイレクト・クーゲル法」などがあり、当院で前方アプローチ法を行う場合は主に「ダイレクト・クーゲル法」を行っております。

虫垂炎

一般的にいう「盲腸」のことです。虫垂とは、大腸の一部である盲腸の下端から細長く飛び出した管腔臓器で、長さは平均して6~7cm程度です。管腔が何らかの原因で閉塞すると炎症が起こり、これを虫垂炎と言います。炎症が軽度であれば抗生剤投与で保存的に治ることがありますが、炎症が高度の場合や穿孔を来して腹膜炎を併発した場合は手術で虫垂を切除することが必要となります。当院では原則として腹腔鏡下に虫垂切除を行います。開腹手術と比較して(1)時間が若干長くかかる、(2)全身麻酔が必要、などの欠点はありますが、それを補って余りある利点:(1)術後の疼痛が少ない、(2)腹膜炎併発時でも創を拡げずに腹腔内全体を洗浄することができ、回復も早い、(3)創の感染率が低い、があります。炎症の程度にもよりますが早期退院が可能で、短い方では術後2から3日で退院できます。

肛門疾患

肛門には痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(あな痔)などの疾患が生じます。当科には大腸肛門病学会専門医を配し、手術だけではなく、病態に応じた診療を行っております。また当院は内痔核治療法研究会会員施設となっており、内痔核硬化療法剤(ALTA)の注入療法も行っております。

食道裂孔ヘルニア

食道の大部分は胸部を走行しますが、下部では横隔膜を貫いて腹腔内へ入り、胃へと続きます。食道が横隔膜を貫くところを食道裂孔といいます。食道裂孔ヘルニアとは、この食道裂孔がなんからの原因で緩み、胃の一部が横隔膜の上側の胸部に飛び出してしまった状態をいいます。本来ヒトには胃に入った食べ物が食道へ逆流しないようにする防止機構が備わっていますが、食道裂孔ヘルニアになると逆流を防止する機能が低下し、逆流性食道炎を引き起こしやすくなります。逆流性食道炎を発症した場合、ほとんどの場合内服薬で治療することが出来ますが、薬を服用しても効果が認められない場合は手術の適応となります。食道裂孔ヘルニアの手術では、胸部に飛び出してしまった胃を腹腔内へ戻し、緩んで開いてしまった食道裂孔を縫い縮めたり医療用のメッシュで補強したりします。さらに胃の底の部分を食道に巻き付けて逆流を防止するようにします。従来は開腹で行う手術でしたが、当院では高木純人先生(高木クリニック)のご協力のもと、積極的に腹腔鏡下手術を行っております。

食道アカラシア

食道アカラシアとは、食道の機能障害の一種で、食道下端(胃の入口:噴門)の開閉障害もしくは食道の筋肉の動きの障害により飲食物が食道を通過しにくくなった疾患をいいます。飲食物が食道を通過しにくくなるので、ゲップ・胸焼け・つかえ感・嘔吐の症状が出ます。有効な治療法は少なく、症状が中等度の場合は医療用のバルーン(風船)で狭いところを拡張させて通過障害を取り除くことを試みますが、多くの場合効果は一時的です。症状が重度の場合は手術で食道の筋層を切開して通過障害を取り除き、噴門形成を行って胃液の逆流を防ぐようにします。従来は開腹で行う手術でしたが、当院では高木純人先生(高木クリニック)のご協力のもと、積極的に腹腔鏡下手術を行っております。

スタッフ紹介

尾形 章(病院長、昭和60年卒)

専門分野外科一般
消化器外科
乳腺外科
特に肝胆膵の外科
資格医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本肝胆膵外科学会高度技能指導医
日本肝胆膵外科学会評議員
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
臨床研修指導医養成講習会修了
緩和ケア基礎研修会修了
医療安全管理者養成研修会修了

竹内 男(部長 兼医療技術局長、平成7年卒)

専門分野

外科一般
消化器外科
乳腺外科
特に肝胆膵の外科・胃の内視鏡外科

資格

医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定取得者
日本肝胆膵外科学会評議員
日本肝臓学会肝臓専門医
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
マンモグラフィー読影認定医
臨床研修指導医養成講習会修了
緩和ケア基礎研修会修了


金子 高明(兼緩和ケア科部長、平成10年卒)

専門分野外科一般
消化器外科
乳腺外科
特に食道、胃、大腸、肛門外科・内視鏡外科
資格医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本臨床肛門病学会臨床肛門病技能指導医
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器病学会専門医
マンモグラフィー読影認定医
臨床研修指導医養成講習会修了
緩和ケア基礎研修会修了
がんのリハビリテーション研修会修了

三浦 世樹(副部長、平成11年卒)

専門分野

外科一般
消化器外科
乳腺外科
特に肝胆膵の外科・胃・胆のうの内視鏡外科

資格

医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定取得者
日本肝胆膵外科学会評議員
日本胆道学会認定指導医
日本肝臓学会専門医
日本食道学会食道科認定医
日本消化器病学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
マンモグラフィー読影認定医
平成27年度第2回CLDMAT養成研修修了
緩和ケア基礎研修会修了
がんのリハビリテーション研修会修了
TNT研修会修了
臨床研修指導医講習会修了


神谷 潤一郎(副部長、平成15年卒)

専門分野外科一般
消化器外科
乳腺外科
特に肝胆膵の外科・大腸の内視鏡外科・ヘルニアの内視鏡外科
資格

医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定取得者
日本肝胆膵外科学会評議員
日本肝臓学会肝臓専門医
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
マンモグラフィー読影認定医
臨床研修指導医養成講習会修了
緩和ケア基礎研修会修了


山田 千寿(医長、平成12年卒)

専門分野外科一般
消化器外科
乳腺外科
肝胆膵外科
資格医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
マンモグラフィー読影認定医
TNT研修会修了
臨床研修指導医養成講習会修了
緩和ケア基礎研修会修了

鈴木 崇之(医長、平成18年卒)

専門分野

外科一般
消化器外科
乳腺外科
肝胆膵外科 

資格

医学博士
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本肝胆膵外科学会高度技能専門医
日本肝胆膵外科学会評議員
消化器がん外科治療認定医
緩和ケア基礎研修会修了


高木 純人(非常勤医・特別顧問、昭和61年卒)

専門分野外科一般
消化器外科
資格医学博士
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本外科学会専門医

小杉 光世(非常勤医・肛門外科特任顧問、昭和40年卒)

専門分野外科一般
特に肛門領域外科
資格日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員
日本臨床肛門病学会専門医・指導医・理事・技能認定医
日本肝胆膵外科学会評議員
外国人医師臨床研修指導医
その他市立砺波総合病院元院長
金沢大学医学部元学外臨床教授

荒井 学(非常勤医、平成10年卒)

専門分野乳腺外科
資格日本外科学会専門医
日本乳癌学会乳腺専門医
マンモグラフィー読影認定医
緩和ケア基礎研修会修了
がんのリハビリテーション研修会修了

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松戸市立総合医療センター

千葉県松戸市千駄堀993番地の1
電話番号:047-712-2511 FAX:047-712-2512

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