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平成31年度施政方針

更新日:2019年2月27日

 平成31年度の施政方針を以下のとおり掲載します。また、PDFファイルのダウンロードも可能です。

施政方針

 本日、ここに、平成31年度予算案及び関連諸議案を提出し、ご審議いただくにあたり、施政の基本方針とともに概要を申し上げ、市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 昨年は、様々なイベントに「市制施行75周年」の冠を付けていただきました。多くの皆さまに祝い、盛り上げていただいたことに、感謝申し上げます。
 また、本市ゆかりの若者たちが大いに活躍されました。
 レスリングの世界選手権で、須崎優衣さんが2連覇となる金メダルを、皆川博恵さんが銅メダルを獲得され、ウィルチェアーラグビーでは羽賀理之さんが世界選手権で優勝、陸上競技では第五中学校のハッサン・ナワールさんが全日本中学校陸上競技選手権大会で2年連続となる女子200メートル優勝、ソフトテニスでは黒木瑠璃華さんがアジア競技大会で団体金メダルを獲得され、小金中学校科学部の皆さんはロボカップジュニアジャパン大会の日本リーグで優勝と、すばらしい成績をおさめられました。
 音楽では、全日本吹奏楽コンクールの全国大会で第四中学校が金賞を、小金中学校が銀賞を受賞するなど、各種コンクールなどの全国大会で本市の複数の中学校が金賞や銀賞などを受賞しました。
 ご長寿の話題もあります。千葉県内の最高年齢者は、女性が「平田もとめさん 112歳」、男性が「湯本金五さん 108歳」ですが、お二人とも松戸市在住の方ということもあり、特に嬉しく思います。
 また、待望の「東京外かく環状道路」が開通し、「松戸インターチェンジ」が設置されたことで、本市の交通アクセスがより一層向上しました。このインターチェンジを利用し、市内の駅と羽田空港とを繋ぐ高速バスが運行を開始しております。また、外環道と成田空港とを最短で結ぶ「北千葉道路」は、国、県、沿線市において道路構造の検討を進めるなか、事業化に向けて県による環境アセスメントなどの手続きが始まりました。これらの交通基盤が整備されることにより、今後の地域経済活性化や沿線地域の渋滞緩和、生活道路の安全性向上などが期待されます。
 そして、子育て関連では、日本経済新聞社関連の「共働き子育てしやすい街ランキング」において、引き続き高い評価を受けることができました。
 教育の関係では、グローバル化を見据えた新たな授業を行うため、英語を母国語としない方への指導方法が確立しているオーストラリアへ英語教員10名を派遣しました。グローバル教育の一層の進展に努めたいと思っております。
 また、国の名勝に指定された戸定邸庭園では、かつて富士山を眺望し桜の花見が行われたという東屋も含めた復元工事が終了したことから、隣接する千葉大学園芸学部の近代庭園群とともに、文化拠点としての価値を高めることができました。
 医療の関連では、「松戸市立総合医療センター」は移転・開院から1年になります。その間、皆さまの期待に応えられるよう、三次救急、小児・周産期医療及びがん診療連携拠点病院や災害拠点病院として、質の高い医療を安定的に提供してまいりました。また、本市は、全国トップクラスの総合病院が集まるなど、医療環境に恵まれております。「健康医療都市まつど」の呼び名も、更に現実的なものにしてまいりたいと思っております。
 また、自動車の「松戸ナンバー」の実現に向けた対応では、その背景となる図柄を選定し、国に提案いたしました。今後は、2020年度中に松戸ナンバーの交付が開始される予定となっております。

まちづくりに対する基本的な考え方

 それでは、まちづくりに対する基本的な考え方について、これまでの実績を交えて述べさせていただきます。
 本市の「人口ビジョン」を実現させるために策定した「総合戦略」では、5か年に取り組むべき政策目標や施策をまとめ、4つの基本目標を設定しております。
 一つ目は、「子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくり」でございます。
 子育てに関しては、これまで同様、子どもたちを元気に育てる環境をつくり、子どもの育ちを社会全体で支えていけるよう、妊娠・出産から子育てまで切れ目のない支援を行ってまいります。
 保育環境では、伸び続ける保育需要に対応するため、県内一位の整備数となる小規模保育施設を整備し、その卒園後には保護者が就労していても幼稚園での教育を選択できる環境を整えております。また、子どもの貧困対策を推進するとともに、全国で初めて設置した「子ども家庭総合支援拠点」を中心に、専門的な支援などを強化していきたいと思います。
 総合医療センターは、日を追うごとに患者数が増加してまいりました。これは、充実した医療機能と安全で快適な療養環境によるものと考えております。今後も、収益改善を図りつつ、市内の各医療機関とともに日本全国へ「健康医療都市まつど」を発信すべく、急性期医療を担う総合病院として市民の健康と医療を守ってまいります。
 教育の面では、AIやIoTが急速に発展する「Society5.0」という新たな時代に子どもたちが対応できるよう、教育委員会と緊密に連携して教育環境の整備に力を入れ、市民みんなで子どもたちを育む、教育や文化に関する施策を展開してまいります。
 また、文化の分野では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の事前キャンプ実施に関する覚書を、一昨年にはルーマニアと、昨年はドミニカ共和国と、それぞれ締結いたしました。また、アーティストの国際的な滞在制作拠点であり、昨年は国内外の50組のアーティストが滞在し、様々な芸術活動と市民との交流を通じて世界と松戸を繋いでいる「パラダイスエア」の事業につきましても、今後も継続して支援してまいります。
 二つ目は、「高齢者がいつまでも元気に暮らせるまちづくり」でございます。
 少子高齢化の進展や、その他社会構造の変化などにより、「高齢者と未婚の子の世帯」や「子育てと介護を同時に担うダブルケア」の増加という状況が発生しており、新たな繋がりや支援の創出が求められております。
 この状況に対応するため、地域包括ケアシステムの深化・推進と同時に、地域共生社会の実現を目指します。地域共生社会は、制度や分野ごとの「縦割り」や、「支え手」「受け手」という関係を超え、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として地域づくりに参画し、人と人、人と社会資源が世代や分野を超えて「まるごと」繋がることで、住民の暮らしを支え、生きがいを共に創っていくものでございます。
 三つ目は、「まちが再生し、賑わいのあるまちづくり」でございます。
 本市が、今後も多くの人々に選ばれるまちとなるためには、賑わいのあるまちづくりについても進める必要がございます。
 新たな松戸の顔となる、便利で魅力あふれる「新拠点ゾーン」の整備については、昨年3月に策定した基本構想における「まつど・新・シビックコア」のコンセプトのもと、基本計画の検討を進めております。
 松戸駅西口駅前広場で昨年5月末にエレベーターとエスカレーターが、JR松戸駅構内では順次エスカレーターが供用を開始し、利便性の向上が図られております。
 他の地域におきましても、地域の皆さまとともに魅力向上のための検討を行うなど、市域全体の魅力を高めるまちづくりに向けて進めてまいります。
 四つ目は、「経済が活性化し、安心して働けるようになるまちづくり」でございます。
 本市の中心市街地は、昨年の伊勢丹松戸店の営業終了に伴い、寂しさを払拭できない様子となっておりました。しかし、この春には、その場所に新商業施設「Kite Mite Matsudo(キテミテマツド)」が、秋には、北部市場跡地に「(仮称)テラスモール松戸」がオープン予定となっております。これらの商業施設の開業を契機にイメージチェンジを図り、新たな賑わいが生まれるとともに雇用が創出されることにも期待しております。
 また、本市のコンテンツ産業振興事業の取り組みとしては、市内の子どもたちがコンテンツ開発に触れる機会を提供し、事業者や若いクリエイターの皆さまを支援するなど、「コンテンツ産業といえば松戸」との認知が広がるよう、「松戸コンテンツ事業者連絡協議会」とともに様々な活動に取り組んでおります。
 更に、経済活性化の一助となることが期待される外国人の来訪者や就労者は、今後益々増加することが見込まれます。外国人の方々を確実に迎え入れるためにも、市内できちんと働いて経済的に安定して生活できるようにし、「全ての人が訪れたいまち、住みやすいまち」となるための方策を講じてまいります。
 その他の施策としましては、「安全・安心なまちづくり」として地域の皆さまの全市的なご協力や活動をしていただいたこともあり、平成30年の刑法犯認知件数は3,733件となっております。この件数は、最も多かった平成11年の13,677件と比較して大幅に減少しており、減少率は72.7パーセントでございます。しかし、空き巣など、侵入盗の被害が増加し、電話de詐欺の被害も依然高い水準で発生しているため、今後も皆さまのご協力のもと、防犯対策を強化してまいりたいと考えております。
 以上が、4つの基本目標を柱としたまちづくりの基本方針でございますが、いずれにしましても、少子高齢化が進むなか、ただ手をこまねいているだけでは若年層が減り、高齢者の支え手が減少するばかりか、経済が縮小して市内の購買力も低下してしまうこととなります。
 この問題を解決し、負のスパイラルに陥らないようにするためにも、「東京に近く緑も多く住みやすい」という松戸のポテンシャルを生かし、子育て世帯などの若い方たちが松戸を選び高齢者の方々とともに安心して住み続けていただけるための施策に力を入れてまいりました。その結果、現在では方向性が定まり、体制も整ってきたところでございます。
 また、社会の変遷から女性の社会進出が進み、保育需要の急激な拡大など、社会的ニーズの変化に素早く対応していく必要がございます。これまでは、特に未就学児への支援を中心に子育て世帯を社会全体で支える仕組みの構築に力を入れてまいりましたが、今後は、小・中・高校生を含め、全ての子どもたちに必要な支援を幅広く実施していかなければならないと考えております。
 更に、本市は、旧公団住宅への入居から大きな発展が始まって約60年が経過し、「まち」全体が古くなってきたことも否めず、順次、インフラの整備や街づくりをすることが必要であると考えております。市内のUR賃貸住宅についても、今後のあり方についてUR都市機構と積極的に議論してまいりたいと思っております。
 まちづくりの基本的な考え方は、以上のとおりでございます。

平成31年度予算

 次に、本市の平成31年度予算について説明申し上げます。
 新年度の一般会計予算は、本年度より5.7パーセント増の1,561億8,000万円を計上いたしました。プレミアム付商品券発行事業や、ごみ中継施設建設事業、和名ケ谷クリーンセンター基幹整備事業などのごみ処理施設集約化に伴う支出を予定していることもあり、過去最大となりました。
 歳入の根幹をなす市税につきましては、景気は緩やかな回復基調にあり、市税全体では、平成30年度より11億5,000万円増の689億5,000万円を見込んでおります。
 歳出の構成比につきましては、民生費が52.0パーセントと最も高く、次いで衛生費の11.2パーセント、土木費の8.9パーセントの順となっております。

子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくり

 続きまして、新年度の主要な施策について、まずは総合戦略の4つの基本目標の方向性に沿って説明申し上げます。
 最初に「子育て・教育・文化を軸とした都市ブランドづくり」でございます。
 まず、子育てに関しては、特に保育需要の高い2歳児までを預かる小規模保育施設の整備を更に進めるとともに、民間保育園の整備についても支援したいと考えております。
 3歳児以降では、小規模保育施設を卒園した児童を確実に受け入れるため、保育園を運営する社会福祉法人への事業委託などにより、長時間の預かり保育を行う幼稚園を増やしたいと考えております。
 併せて、幼稚園の利用者を増やすため、松戸駅前、新松戸駅前といった既存の送迎保育ステーションのサービス拡充を図るとともに、他の地域での送迎保育ステーションの開設に向けた準備を進めてまいります。
 また、新卒幼稚園教諭を対象とした家賃補助や就職支援金の貸付を新たに実施し、幼稚園の人材確保に向けた支援を強化してまいります。
 保育士確保の対策としては、保育士資格の取得支援や市内保育施設に就職していただくための支援のほか、就職後も保育士の処遇改善を図るなど、保育士確保と定着化のための支援を継続し、保育の質の向上に繋げてまいります。
 幼児教育については、保育所などでの英語あそびを継続して実施し、また、幼児教育から小学校教育へと連続した子どもの学び支援のため、幼稚園や保育所などと小学校との交流を深めるモデル事業を展開したいと考えております。
 地域の子育て支援では、おやこDE広場の新規開設のほか、子育て支援センター1か所で利用時間を夜間まで延長いたします。
 子どもの居場所づくりでは、小学生の居場所としては、放課後KIDSルームを新規に3校開設するとともに、六実・六高台地区の移動児童館を拡大し、市民センターを活用した居場所づくりをモデル事業として開始します。また、中高生の居場所を1か所新設し、学校や家庭以外でも勉強や交流など様々な体験ができ、安全安心に過ごせる環境の整備を進めてまいります。
 こうした子育て支援の取り組みをより多くの子育て世代の方に知っていただくためにも、「まつどDE子育てアプリ」や「まつどDE子育てLINE」での情報発信や市内外でのプロモーション活動を継続してまいります。
 教育に関しては、現在、小学校1年生からネイティブの英語に触れる授業を実施しておりますが、グローバル化を見据えた児童生徒の育成のため、本市独自の取り組みである「言語活用科」の履修学年を小学校1年生に拡大する改訂を考えております。新年度は、2020年度の改訂に向けた教員研修や環境整備を行ってまいります。
 そして、「教育の機会確保法」制定後、全国初の夜間中学校となる「第一中学校みらい分校」をこの4月に開校し、市立松戸高等学校では、通学区域を拡大して初となる入学生を迎え入れます。
 小・中学校の施設整備では、トイレの洋式化を迅速に進めるため、整備手法の検討を行ってまいります。
 博物館では、子どもをターゲットとした初の企画展示となる「(仮称)こどもミュージアム・おとなも楽しい歴史体験」を開催したいと考えております。
 また、松戸運動公園の陸上競技場は、利便性の向上と第3種公認陸上競技場として継続させるための工事として、トラック走路や助走路の改修などを行いたいと考えております。この陸上競技場は、東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプでも使用される予定です。
 文化に関しては、「文化の香りのする街」の構築に向けてパラダイスエアなどの様々な取り組みを進めております。
 東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ実施に関する協定の締結を目指し、ルーマニア及びドミニカ共和国と協議を重ねるとともに、選手団の受入準備を進めてまいります。更に、聖火リレーのルートが、この夏に正式決定されます。平和や希望の象徴である聖火とともに松戸市民が松戸の道を走り、子どもたちの心にレガシーとして残すためにも、聖火リレーの誘致も含め、市民の皆さまとともに機運を高める取り組みを実施してまいります。
 併せて、国際化の推進として、外国人観光客誘致促進のためにモニターツアーを実施し、日本に訪れたいと思っている海外の方々に松戸の魅力を届けてまいります。また、日本語教室の拠点を整備し、より多くの在住外国人の方々が日本語教育を受けられるよう、環境を整備してまいります。
 そして、この11月には、県内初となる「全国ねぎサミット」が本市で開催されます。本市が誇る「矢切ねぎ」や「あじさいねぎ」をはじめ、市内農産物のPRと消費拡大を図ってまいります。

高齢者がいつまでも元気に暮らせるまちづくり

 次に、「高齢者がいつまでも元気に暮らせるまちづくり」でございます。
 高齢者の方々に地域で元気に活躍していただくためには、まず、健康であることが重要と考えます。企業や市民団体などで構成する「健康松戸21応援団」と協働し、市民の主体的な健康づくりを推進するとともに、「健康マイレージ」事業を継続して市民の皆さまの健康づくりを応援させていただきます。
 また、市民が主体的に運営する「通いの場」である「元気応援くらぶ」を増やし、高齢者の方々が気軽に出かけ、人と触れ合い、介護予防ができるように努めてまいります。
 高齢者の総合相談窓口である「地域包括支援センター」については、きめ細やかに相談対応が行えるよう、専門職を増員して体制を強化したいと考えております。
 併せて、「福祉まるごと相談窓口」については、より身近な地域で相談できるように体制を整備し、利便性を高めてまいります。
 更に、医療的な困難を支援する「在宅医療・介護連携支援センター」の対象を、障害児者にも拡大し、専門職からの相談を受けることができるようにするとともに、「地域サポート医」の訪問体制も整え、共生対応を進めてまいります。
 「地域力」強化の取り組みとしては、「15の日常生活圏域」で実施する「地域づくりフォーラム」や「地域ケア推進会議」を通じ、地域の課題を発見し、地域資源や地域住民の力を結集して地域で解決する取り組みを進めてまいります。
 そして、介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けていけるよう、在宅のサービスを中心とした事業所などの整備も進め、介護サービスの充実を図ってまいります。また、それを支える介護人材の確保も重要でございますので、「介護人材育成事業」を継続するほか、市内の介護事業所で既に働いている方への支援や、介護分野における外国人人材の雇用促進のためのセミナーを実施し、年齢、経験、国籍を問わず、介護人材の確保から育成、定着までを支援する取り組みを推進したいと考えております。

まちが再生し、賑わいのあるまちづくり

 続きまして、「まちが再生し、賑わいのあるまちづくり」でございます。
 まず、松戸駅周辺地域については、様々な人が集い、住まいとしても選ばれる都心近郊都市として再生するため、政令による「都市再生緊急整備地域」としての本指定を年内に受けるべく、エリアや地域整備方針について、素案の検討を深めてまいります。
 また、新拠点ゾーンについては、「本庁舎の移転」や「老朽化した文化施設の集約」、「松戸中央公園の再整備」など、多世代の市民や来訪者の様々なニーズに応え、交流や賑わいを生む本市の新たなランドマークづくりを目指します。特に本庁舎については、現在の本館と新館は旧耐震基準で建築されており、震災発生時に災害対策本部機能を果たせなくなる可能性が危惧されるため、建て直しなどの対応が急務となっております。そのため、引き続き市民の皆さまをはじめ、議員各位のご意見をいただきながら、「新拠点ゾーン整備基本計画」を策定してまいります。
 松戸駅周辺の活性化に結び付く矢切地区の観光拠点については、都市公園の整備を先行して行うため、公園及び外周道路の用地取得に着手したいと考えております。
 新松戸駅東側の土地区画整理事業では、地区の皆さまとの合意形成のための取り組みを継続し、事業の推進を図ってまいります。
 併せて、常磐線快速列車の新松戸駅停車に向けて、JR東日本に対して働きかけてまいります。
 また、新松戸地域では、流山市木地区と接続する交通ネットワークの整備を引き続き進めてまいります。
 道路交通網では、北千葉道路と接続される3・3・7号横須賀紙敷線においては、河原塚地先の延長943メートル区間の道路整備に向けた用地取得を昨年に引き続き積極的に進めてまいります。また、更なる交通網強化のため、3・3・6号三矢小台主水新田線においては、大山橋から国道464号二十世紀ケ丘交差点まで、延長約1,200メートル区間の事業に着手したいと考えております。
 なお、都市計画に関しましては、2021年からの約20年を見据え、望ましい都市の将来像を明示し、都市づくりに関する基本的な方針を示す新たな「都市計画マスタープラン」の策定に向けた取り組みを継続してまいります。

経済が活性化し、安心して働けるようになるまちづくり

 四つ目は、「経済が活性化し、安心して働けるようになるまちづくり」でございます。
 昨年は、松戸駅周辺の中心市街地に更なる賑わいをもたらすための中心市街地緊急活性化事業を「MATSUDO WONDER! 2018」と称し、様々な人が楽しめるイベントを開催いたしました。また、伊勢丹松戸店のあった場所に新商業施設がオープンすることに先立ち、この春には歩行者天国イベントを開催し、賑わい創出に向けた取り組みを強化したいと考えております。
 コンテンツ産業振興事業では、パラダイスエアへのクリエイタースタジオや交流スペース設置などの支援を実施し、異業種間のマッチングの促進を行っております。また、この流れを加速させるべく、インキュベーション・コワーキング施設である「松戸スタートアップオフィス」をこの4月に開設いたします。この施設では、入居者同士の交流イベントなどを通し、イノベーションを生み出す拠点として機能させてまいります。
 男女共同参画支援事業では、女性の活躍推進として、「女性センターゆうまつど」に開設した家庭と仕事の両立に関する総合相談窓口の開設日数を週3日に拡大するなど、再就職を望むより多くの女性へのきめ細やかな支援を可能にしてまいります。
 そして、(仮称)テラスモール松戸の開業により予想される周辺道路の交通渋滞につきましては、事業者が実施する交通対策と並行して渋滞回避ルートなどの整理を行い、課題解決に向けた検討を進めるとともに、開業後の交通環境の変化に合わせて必要な安全対策を実施してまいります。
 以上、総合戦略の4つの基本目標の方向性に沿った主要な施策について説明しました。

その他の主要な施策について

 続きまして、その他、「安全・安心なまちづくり」などに関連する主要な施策について、説明申し上げます。
 主に子どもの安全確保を目的として、通学路などにおける危険箇所や駅前繁華街、主要幹線道路に街頭防犯カメラを増設したいと考えております。
 また、客引き行為などの防止のため、駅周辺を中心に指導員による巡回を継続してまいります。
 駅前の放置自転車対策としては、機械管理が可能な自転車駐車場を駅前に整備して短時間無料駐車制度を導入するなど、放置防止啓発活動を強化してまいります。
 消費生活相談の関係では、消費生活センターに寄せられる相談件数は近年増加し、その内容も複雑化・高度化しております。市民の皆さまの安全安心な消費生活を実現するため、引き続き消費者行政の体制強化に取り組んでまいります。
 基幹的消防署としての機能充実を図るために建替工事を実施していた中央消防署は、1月に竣工し、この4月からの運用開始に向けて準備を進めております。主要な設備として72時間対応の自家用発電機などを備えることで、本市南部地域の災害活動拠点が整備・強化され、これまで以上に安全で安心な生活環境を提供してまいります。
 交通バリアフリー整備については、「新八柱・八柱地区」の整備に着手したいと考えております。
 大雨による災害対策としては、紙敷川、上富士川などの改修整備を継続してまいります。また、浸水想定地域やその避難場所などを表示し新たに作成した「内水ハザードマップ」を、ホームページなどに掲載して情報提供をすることにより、更なる防災意識の向上や円滑な避難・誘導機能の向上を図ってまいります。
 また、五香一号踏切では、道路の拡幅整備に向けて新京成電鉄による路線測量を支援するとともに、関係機関と協議を進めてまいります。
 明市民センターは、施設利用者がより快適かつ安全に安心して利用できるよう、この11月末を目途にバリアフリー化された建物に移転いたします。
 水道事業では、水道管などの耐震性を高め、いつでも安全・安心に水道が使えるよう、引き続き老朽管や鉛給水管の更新に努めてまいります。
 下水道事業については、更なる健全経営に向け、普及率の向上や経費回収率の向上を経営目標として取り組みます。また、震災時に収容避難所となる小・中学校のマンホールトイレの整備や、緊急輸送路となる重要路線などのマンホール浮上防止対策を、引き続き実施してまいります。
 道路の舗装や橋りょう、横断歩道橋などの道路インフラの長寿命化については、5年毎に見直しを行っている修繕計画に則り、予防保全型の修繕を継続してまいります。
廃棄物の適正処理については、(仮称)リサイクルプラザの建設準備を進めてまいります。
 また、新年度末に予定しているクリーンセンターの稼動停止に向けて取り組んでいる「ごみ減量作戦」が、最終年度となります。減量は順調に進んでおりますが、ごみの量は社会経済情勢に応じて増減するため、気を緩めず引き続き市民の皆さまへの啓発活動や事業者への訪問指導などによるごみ減量の取り組みを推進してまいります。
 県からパスポート発給の権限移譲を受けた「松戸市パスポートセンター」を、この4月の新商業施設のオープンに先立ち3月から開設し、市民サービスの向上を図ってまいります。
 平和事業につきましては、市内の中学生を平和大使として、長崎市で開催される「青少年ピースフォーラム」へ引き続き派遣いたします。また、戦争体験者の減少が進むなか、平和語り部などの継承事業や世界で起きている紛争などの現状を伝える事業などを通して、引き続き次の世代に平和の大切さや戦争の悲惨さを伝えてまいります。
 また、先ほど、新たな都市計画マスタープランの策定について触れましたが、本市のまちづくりの基本となる「総合計画」についても、現計画が2020年に終了するため、新たな計画の策定に向けた取り組みを開始いたします。
 施策の説明としては最後となりますが、多くの要望に緊急的に対応し続けてきた「すぐやる課」が、昭和44年の発足から50年目の節目を迎えます。種々様々な要望に応え続け、累計処理件数は15万5,000件を超えており、現在も多くの皆さまから活躍を期待されております。今後は、発足当初からの理念である「すぐやる精神」を再び喚起して身近な問題の早期解決を図り、引き続き安全で快適な生活環境の実現に向けて取り組んでまいります。
 以上、新年度の主要な施策について、その概要を申し上げました。

おわりに

 この10月には、国の政策に基づく幼児教育の無償化が全国で実施される予定でございます。本市においても社会的ニーズにこれまで以上にしっかりと対応し、子どもたちの健全な育ちを支えるため、充実した子育て支援を継続してまいります。併せて、高齢になっても活き活きと暮らし、活躍できるよう、超高齢社会への対応も変わらず進め、本市ならではのきめ細かく、寄り添う施策を展開したいと考えております。
 また、来年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、海外の方々との交流の幅は大きく広がると考えられます。本市においても、多くの国と、様々な分野で交流を広げ、深めることにより、更なる国際化へ向けて飛翔する年にしたいと考えております。
 いずれにしましても、市税等の自主財源及び健全財政の確保を基本とし、でき得る限り次世代への負担を軽減することを念頭に置いて経費削減や事業の見直しを図るとともに、本市の将来を見据え、本市の発展に必要な施策には積極的に投資を行ってまいりたく、新年度予算を編成させていただいたところでございます。
 最後に、現在、本市の人口は49万人を超え、都心に近いにもかかわらず緑豊かである地理的特性などの潜在的な能力を発揮することにより、人口が50万人を超える日も近づくまでに成長しました。人口が堅実に増えている自治体は、全国でも限られた地域となっております。この厳しい状況のなか、皆さまのご協力をいただきながら現在の人口水準を維持させるまちづくりを継続させ、国籍も老若男女も問わない全ての人に選ばれる、「住み続ける価値の高いまち」を目指す新たな一歩を踏み出したいと思っております。
 新年度は改元の年となることが予定されております。本市においても、この一年を新たなまちづくりの元年とし、その新たな歩みを確かなものとするためにも、改めて、市民の皆さまをはじめ、議員各位のご支援、ご協力を賜りますことをお願い申し上げ、新年度の施政方針とさせていただきます。

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千葉県松戸市根本387番地の5 新館5階
電話番号:047-366-7072 FAX:047-366-1204

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