教育広報令和5年11月22日号
更新日:2023年11月22日
「松戸市立博物館」宿泊体験リポート 縄文人になりきって竪穴住居に泊まってみた!
2023年9月、昨年に続き、千葉県松戸市の市立博物館で市内在住の小学5・6年生を対象とした「縄文人なりきり宿泊体験 竪穴住居に泊まろう!」というプログラムが実施されました。貴重な体験をした6人の2日間をご紹介します。
宿泊体験1日目
13時、小学生6人が松戸市立博物館に集合。アイスブレイクを交えた自己紹介をしてもみんなのガチガチはほぐれず、1泊2日の宿泊体験は緊張のスタートとなりました。
松戸市立博物館学芸員の西村さんは、「縄文のことで頭がいっぱい」の通称はかせ。はかせのガイドに沿って、博物館の常設展示を縄文時代に焦点をあてて見学しました。
野外展示に出て、復元竪穴住居のわきを通り、小屋に移動します。14時、はかせを講師とした縄文基礎講座が始まり、少しずつ縄文時代へタイムスリップしていきます。
縄文時代の人は、動物をつかまえて食べる「狩猟」、木の実や貝を集めて食べる「採集」、魚をとって食べる「漁ろう」で食べ物を手に入れていたという話を聞きました。
14時30分、博物館学習支援専門員の鵜沼(うぬま)さん、通称ひげじいの指導で、紙バンドを使ったかご編みのワークショップです。このころには場も温まり、笑顔も見られるように。
16時、はかせが事前にしかけていた、土器を利用した縄文式の漁網をチェックし、ワナにかかった水生生物を観察します。はてさて、今晩のおかずはつれたのでしょうか。
18時、アウトドアセンターに移動し、夕食の石蒸し料理を準備します。固い土にスコップをたて、「縄文時代はこんな道具なかったんだよね」と言いながら、穴をほりました。
自分たちでつくった石蒸し料理を、おそるおそる実食します。ベーコンの塩気とサツマイモのあまさがマッチして、「ちょっと固いけど、なかなかおいしい」との声もあがりました。
夕食にはバーベキューのほか、縄文土器(レプリカ)でにこんだニンジン、ジャガイモ、ダイコンの素朴なスープもありました。縄文ムードが、がぜん盛り上がります。
21時、復元竪穴住居で、はかせにいろんな質問をぶつけました。そして22時30分、土の上にマットをしき、寝袋にくるまり、真っ暗でスマホもない中、おやすみなさい。
宿泊体験2日目
翌朝6時、起床。7時、朝食におにぎりをにぎって食べました。「かやぶき屋根からパチパチと音が聞こえた」など昨夜の感想もおかずに、3つをペロリと平らげるつわものも。
8時、ふりかえりの時間です。みんなで縄文時代の暮らしを体験することで、歴史への興味を持ち、もっと勉強したいという学習意欲が高まった2日間となりました。
9時の解散の前に、昨夜の寝床、復元竪穴住居前で記念撮影。「最初は緊張したけど、いっしょにご飯をつくったり、いっしょにねたりして、だんだん仲良くなれてうれしかったです!」
松戸市立博物館 学芸員 博士(文学) 西村広経さんのコメント
はかせから最後に2つ。1つは、これから先、自分とはちがうさまざまな文化の人と接し、観察することで、人生を豊かにしてほしいということです。もう1つは、仲間についてです。縄文時代のように、まわりの環境から食べ物を手に入れる人にとって、すごく大事なものはなんだと思いますか? それは、となりの村に住んでいる親戚なんです。いざというときに助けてくれる仲間のネットワークは、生きていくために必要だということです。皆さんも、せっかくここに来て、友だちになった仲間をこれからも大切にしていってほしいと思います。
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