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1867年パリ万博150周年記念展 第3期「徳川昭武の日仏交流」

更新日:2017年9月24日

第3期 徳川昭武の日仏交流

会期 10月7日(土曜)~12月24日(日曜)

 最後の将軍・徳川慶喜と、フランス帝国最後の皇帝・ナポレオン3世。2人は、互いの政権を強化するために協力関係を築きました。それを象徴するのが、徳川昭武の万博派遣です。次期将軍の有力候補である昭武は、2歳年下のルイ皇太子と友人となり、皇后であったウージェニーとの交流は、明治末期にまで及びました。国際交流のパイオニアとなった徳川昭武に続き、徳川家の人間は公務でまたはプライベートで海外へと赴き、日仏交流の架け橋の役目を果たしてきました。第3期では、徳川昭武、渋沢栄一らが残した日記や文書、ゆかりの品々から、日仏交流の知られざる側面を紹介します。

展覧会構成

0. プロローグ 将軍候補、海を渡る―徳川昭武、パリ万博への道

  水戸藩9代藩主斉昭の18男として生まれた徳川昭武(1853-1910)は、1867年パリ万国博覧会に将軍名代として派遣されました。彼を選んだのは、昭武の資質を高く評価していた兄“最後の将軍”慶喜です。彼は昭武を将軍名代にふさわしい身分にするため、将軍家に属していた清水家を相続させ、徳川姓と将軍になれる身分を与えました。
 昭武について、駐日フランス公使ロッシュは慶喜に「皇帝ナポレオン3世は皇太子同様に待遇するだろう」と述べ、フランスの新聞では「将軍の弟であり後継者であるプリンス民部大輔」として報道されました。これほど身分の高い人物が海外へ旅立つのは、これが初めてでした。

1. パリ万博

  日本が初めて公式に参加した1867年パリ万国博覧会は、幕府の国際社会への本格的なデビューの場であり、同時に皇帝や国王たちが集い、国益を巡る様々な思惑が入り乱れる国際外交の最前線でもありました。日本の出品物はヨーロッパの人びとに強い影響を与え、ジャポニスム(日本趣味)の契機にもなりました。

2. 各国巡歴

  万国博覧会の主要行事終了後、昭武は条約を締結していたスイス、オランダ、ベルギー、イタリア、イギリスを歴訪し国王や大統領に謁見しました。次期将軍の有力候補であった昭武は、ヨーロッパにおける王族と同等の礼遇を受けました。国家の統治者同士の交流の第一歩でしたが、幕府の瓦解により、この歴史は忘れ去られてしまったのです。 

3. 幕府瓦解

  日本の指導者となるために、慶喜は昭武に留学生活を命じていました。皇帝ナポレオン3世から教育責任者として選ばれたのが、ヴィレットです。授業内容はフランス語、射撃、乗馬、画学、歴史などでした。しかし、日本から鳥羽伏見の戦いでの旧幕府軍の敗戦・慶喜謹慎の知らせが届きました。昭武は亡国のプリンスとなったのです。昭武はそのまま留学生活を続けるようにという兄慶喜の指示に従い、留学を続けました。その後も続々と国内情勢や慶喜の動向を知らせる書状が届く中、明治政府からの帰国命令が届きます。昭武や一行は情報を分析し、昭武自身の決断で帰国が決定したのです。

4. エピローグ プリンスの退場と変わらぬ友情

  明治元年11月3日(1868年12月16日)、昭武は神奈川に上陸しました。水戸藩主を継ぐことが内定していた彼は、水戸藩邸に入り、同月23日(1869年1月5日)、東京城と名前を変えた旧江戸城で明治天皇に拝謁しました。幕府はすでになく、帰国を報告する相手も兄・慶喜から、1歳年上の16歳の天皇に変わっていました。天皇は、昭武に巡歴した各国の様子を質問し、「これからしばしば参内して実際に見聞きした各国の詳細を話すように」と命じました。昭武は、ヨーロッパで得た知識や情報を天皇に引き継ぎ、歴史の表舞台から退場していったのです。
 昭武のプリンスとしての役割は終わりましたが、彼がヨーロッパで培った交流は続きました。教育責任者であったヴィレットとは40年間にわたり文通を続けました。また、帝政崩壊によりイギリスに亡命していたウージェニー元皇后とは二度目の留学時にロンドンで再会したのを機に、折々に手紙や贈り物のやりとりを続けました。元皇后は昭武からの贈り物に対する礼状に「あなたがパリでお過ごしになった少年時代をまだお忘れになっていらっしゃらないしるし」、「私が生きております限り、手許に置き、大事にして拝見いたします」と記し、「真実の友より」という言葉で結んでいます。
 昭武にとって、ヴィレットや、ともに権力の座から離れても続いたウージェニー元皇后との心の交流こそ、生涯忘れ得ぬ宝物となったのです。

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