劇症型溶血性レンサ球菌感染症について
更新日:2024年7月3日
劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は、レンサ球菌による感染症です。レンサ球菌は感染しても無症状なことが多く、症状が出てもほとんどは咽頭炎(のどの炎症)や皮膚の感染症にとどまります。しかし、まれに通常は細菌が存在しない組織(血液、筋肉、肺など)にレンサ球菌が侵入し、急激に症状が進行する重篤な状態となることがあります。
小児が多く感染するA群溶血性レンサ球菌感染症とは区別されています。
症状
最初に手足の強い痛みがみられることが多く、続いて発熱や悪寒、のどの痛み、消化器症状(食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢など)、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が現れます。また、めまいや錯乱状態を伴うことがあります。症状が進行すると、筋肉や脂肪における炎症、呼吸障害や意識障害が進行して死に至る場合もあります。
疑わしい症状が現れた場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
感染経路と予防方法
実際の感染経路は明らかになっていない部分が多いですが、傷口や粘膜から、通常は菌の存在しない筋肉、脂肪組織や血液にレンサ球菌が侵入することによって病気を起こすと言われています。手洗いやせきエチケットなどの基本的な感染対策に努めるとともに、ケガをした際の傷口はよく洗い清潔に保ちましょう。
発生状況
全国の2024年の劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告数は、1999年に統計を取り始めて以降最多となっています。
- 国の発生動向 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(厚生労働省)
- 千葉県の発生動向 千葉県結核・感染症週報(千葉県感染症情報センター)※週全数報告疾患集計表「5類感染症(全数)」に掲載されています。