音環境(1) 残したい"日本の音風景100選"顕彰碑を設置
更新日:2018年3月19日
残したい“日本の音風景100選”に「柴又帝釈天界隈と矢切の渡し」が認定される
環境庁(平成13年環境省に改組)は、新しい音環境保全対策の一環として、環境負荷の少ない経済社会づくり、自然と人間との共生、あらゆる主体の参加等の目標を掲げた「環境基本計画」の趣旨を踏まえ、残したい“日本の音風景100選”事業を平成8年度展開し、全国各地から合計738件の公募があり、その中から松戸市「矢切の渡し」が東京都葛飾区の柴又帝釈天界隈と合わせて認定されました。
この事業は、「全国各地で人々が地域のシンボルとして大切にし、将来に残していきたいと願っている音の聞こえる環境(音風景)を広く公募し、音環境を保全する上で特に意義があると認められるもの100件程度を認定」しようとするものです。その主な狙いは「日常生活の中で耳を澄ませば聞こえてくる様々な音についての再発見を促す」こと、「良好な音環境を保全するための地域に根ざした取組を支援する」ことと位置づけています。
松戸市では、認定されたことを記念し、また、音環境の保全の市民啓発となるよう顕彰碑を設置することにしました。碑は、江戸川の悠然とした風景にとけこみ、また、体験的な碑になるようデザインを考えました。“いい音”も押しつけがましくなりますと、“騒音”になります。
この碑は、体験型で触わって楽しむものとして、周囲の音や風を聞けるよう、穴を集音型にしました。また、目を当てて見ますと、松戸の船着場と、東京都葛飾区の船着場がみえるようにしました。楽しむ間に、少しでも音のことを考えていただけるよう期待します。
江戸川の一里塚(矢切の渡しより200メートル上流)
土手の手前よりの写真です
穴から覗いた写真です
「ごぉーん、ごぉーん」「チュチュチュチュ」「ギーッ、ギーッ」
音事象の概要
寅さんのふるさとでもある柴又帝釈天の参道は、いつも参拝客で賑わっています。川魚料理屋の生簀(いけす)の水の音や飴屋(あめや)がトントンと飴を切る音が聞こえ、境内に入ると、梵鐘(ぼんしょう)が朝、昼、夕を告げます。江戸川に出ると、舟頭さんの手漕ぎの渡し舟が、150メートルの向こうの対岸へと往復します。ゆったりと流れる江戸川の水に合わせるかのように漕いで行きます。
川面をすべるように対岸に向かうギーッ、ギーッと舟を漕ぐ櫓(ろ)の音、そして春はヒバリのさえずり、夏のオオヨシキリのやかましく鳴く声、冬にはピーピーと鳴くユリカモメなどの声が聞こえてくる。四季を通じて、多くの野鳥たちが集まってくる都心に近いオアシスです。
渡し場よりの写真です
石碑です
アクセス
- 矢切の渡しより200メートル上流です。アクセス方法については、下記の関連リンク「矢切の渡し・野菊の墓文学碑」をご参照ください。
関連リンク
京成バス矢切の渡し線が矢切の渡し船着場前まで延伸されました(土曜・日曜日、休日のみ)