アスベスト(石綿)問題への対応について
更新日:2014年6月2日
松戸市におけるアスベスト(石綿)問題については、平成17年度に環境担当部技監を委員長とした関係16課(室)長からなる「松戸市アスベスト対策連絡会議」を発足させ、協議、検討を重ねてきました。
平成25年度より、環境部長を委員長とした関係課長からなる連絡会議を組織しています。
アスベスト問題へのこれまでの対応や市有施設(学校施設を含む市の公共施設)のアスベスト対策についてお知らせします。
1.松戸市の対応について
(1)健康や建築物などに関する相談等に対応するため「相談窓口」を設置
- 健康に関すること 健康推進課 電話:047-366-7485
- 民間建築物に関すること 建築指導課 電話:047-366-7368
- 公共施設に関すること 建築保全課 電話:047-366-7367
- 小中学校の施設に関すること 教育施設課 電話:047-366-7456
- 建築物の解体に関すること 環境保全課 電話:047-366-7337
- 廃棄物に関すること 廃棄物対策課 電話:047-704-2010
(2)吹付けアスベスト使用建築物の解体工事等の規制・指導
松戸市内の事業所で特定粉じん排出等作業を伴う解体工事等の建設工事を施工しようとする場合、解体等工事の発注者(自主施工者)より市に届出が提出され、それに基づき施工前に市で立入りを行い、作業内容が基準に満たない場合は規制や指導を行ないます。
※工場については、千葉県東葛飾地域振興事務所地域環境保全課(電話:047-361-4048)への届出となります。
2.市有施設の実態調査及び対策について
アスベスト(石綿)の規制は、昭和50年に、石綿の含有率が重量比で5%を超える吹付け材が使用禁止となり、平成7年には、重量比1%を超えるものへと規制が強化されました。さらに、平成17年7月1日に施行された石綿障害予防規則では、事業者の責務として、『建築物に吹き付けられた石綿等(重量比1%を超えるもの)が飛散して、人がばく露するおそれがあるときの対策の実施』が規定されました。この間、昭和62年には学校等における吹付けアスベストが社会問題となり、本市においても市有施設の調査を行い、当時使用が規制されていた石綿の含有率が重量比で5%を超える吹付け材の対策を実施しました。
また、平成18年9月に労働安全衛生法施行令の一部が改正され、アスベスト含有建材の製造、使用等に係る規制が、アスベストを重量比で『1%を超えて含有するもの』から『0.1%を超えて含有するもの』へ強化されています。
更に平成20年当初において、国や県から、トレモライトなど3種類のアスベストも対象として、アスベストの使用の有無を確認するよう通知がありました。松戸市の市有施設においても、トレモライトなど3種類のアスベストについては、分析をしていませんでしたので、従来の調査では、不検出とされていた箇所などについて、平成20年度から平成21年度にかけて新たにトレモライトなど3種類のアスベストの調査を実施しました。また、古い分析方法が用いられていた施設(箇所)や未調査の施設(箇所)については、新しい分析方法により、6種類のアスベストについて再調査を実施し、順次対応を進めております。
アスベスト(石綿)は、その繊維が空気中に浮遊した状態であると危険だといわれています。このため板状に固められた建築材よりも、露出して使用されている吹付け材が問題とされています。また、吹付け材のうちでも特に綿状のものは飛散性が大きいとされています。
このような背景も踏まえて、市有施設のアスベスト対策について松戸市アスベスト対策連絡会議でとりまとめました基本方針に沿って、順次対応しております。
1.基本方針
1 吹付け材のアスベスト含有率が重量比で1%を超えている施設
1.飛散性が大きい(主に綿状)吹付け材がある施設
○吹付け材のアスベスト含有率が重量比で1%を超えている施設のうち、飛散性が大きい(主に綿状)ものを優先する。
- 人の出入りの多い施設(教室、体育施設他)、機械室のうち外部へ飛散するおそれのあるものを最優先して除去等の対策を実施する。
- ただし、飛散性が大きい(主に綿状)吹付け材のアスベスト含有率が重量比で1%を超えている機械室等のうち、外部へ飛散するおそれの少ないものについては、必要に応じて暫定措置を施し、その後に除去等の対策を実施する。
2.飛散性が小さい(主にひる石)吹付け材がある施設
○吹付け材のアスベスト含有率が重量比で1%を超えている施設のうち、飛散性が小さい(主にひる石)ものについては、定期点検により適正に管理し、室内空気中濃度測定でアスベスト繊維が検出されたものを優先して対策を実施する。
2 吹付け材のアスベスト含有率が重量比で1%以下検出の施設
○定期点検により適正に管理し、室内空気中濃度測定でアスベスト繊維が検出されたものを優先して対策を実施する。
資料
市有施設(学校施設を含む)のアスベスト対策の流れ(PDF:61KB)
2.市有施設アスベスト調査結果と今後の対応について
これまでに行なった市有施設全体の吹付け材アスベスト含有率調査結果と室内空気中濃度測定結果の概要と今後の対応についてお知らせします。
1. アスベスト含有率調査結果について
昭和62年度と平成17年度に、242施設の予備調査(図面・目視等)を行い、吹付け材が使用されている131施設について含有率調査を実施しました。
調査結果は、現在は使用が規制されている1%を超える吹付け材が使用されている施設が68施設ありました。この内、平成17年当時の全て対策済み(対策中を含む)施設が10施設、未対策の施設が58施設(うち一部対策済み7施設を含む)となっています。また、未対策施設を、使用されている吹付け材の種類で見ると、綿状・ひる石両方未対策が3施設、綿状のみが1施設、ひる石のみが54施設でした。
平成18年度には室内における飛散状況を把握するため、未対策施設58施設の室内空気中アスベスト濃度測定を実施しました。
結果は、58施設の内、不検出(定量下限値0.3本/リットル未満)が52施設、0.3~3.5本/リットルが6施設でした。
平成20年度及び平成21年度の調査について、調査箇所は全体で80施設139箇所ですが、このうち、平成20年度は、人の出入りの多いところを中心に57施設86箇所を調査し、平成21年度は残りの38施設53箇所を調査しました。(平成20年度と平成21年度は重複している施設あり。)その結果、(1)から(3)の箇所の調査で、基準である『0.1%を超える』アスベストを含有する吹付け材が8施設で確認され、4施設が綿状吹付け材で3施設がひる石吹付け材でした。また、1施設で綿状吹付け材・ひる石吹付け材の両方が確認されました。このうち、従来分析していなかったトレモライトなどが検出されたものはひる石吹付け材の1施設でした。加えて、室内における飛散状況を把握するため、未対策施設(一部対策済みを含む)の室内空気中アスベスト濃度測定を実施しました。平成20年度は、75施設の調査を実施し、1施設で室内空気中に0.3本/L(定量下限値0.3本/L)検出されました。平成21年度は、平成20年度に検出された1施設を含む68施設の調査を実施し、全ての施設で不検出でした。
市では、これまでに、アスベスト含有吹付け材を使用している市有施設について、アスベスト含有率が重量比で1%を超える吹付け材のうち、『綿状吹付け材の全て』と、『ひる石吹付け材で室内空気中にアスベスト繊維が検出された施設』の対策を実施しています。
アスベストは、あること自体が危険ということではなく、その繊維が空気中に浮遊し、呼吸により吸い込む状況にあることが危険だといわれています。室内空気中アスベスト濃度については、現在のところ明確な基準はありませんが、大気汚染防止法では、アスベスト製造工場等の敷地境界での基準として「大気1リットルにつき10本」となっています。
また、WHO等による「環境保健クライテリア」では、「世界の都市部の一般環境中のアスベスト濃度は、大気1リットル当たり1~10本程度で、この程度であれば、健康リスクは検出できないほど低い」と評価されています。現状はこれらに照らし合わせても、健康被害の懸念は無い状況と考えられます。
2 対策実施状況と今後の対応について
今後の市の対応として、0.1%を超える施設について、定期的な点検や室内空気中アスベスト濃度測定などにより、引き続き適切な管理を行っていきます。
なお、市有施設(学校を含む)のアスベスト含有率が0.1%を超える施設及びその対応状況一覧は、下記関連リンクの「市有施設のアスベスト対応状況について」を参照ください。
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