知っておきたいタバコのワナ
更新日:2017年8月28日
- 「タバコが体に悪いことや迷惑なことなんてもう知ってる」そう言いつつタバコを吸い続ける人が多いのはなぜでしょう?
- それはタバコが「嫌われ者だけど頼れる親友」のような仮面をかぶっているからです。頭がスッキリする、集中力が高まる、気分が落ち着く、目覚まし効果があるなどです。
- しかしこれらはタバコの「まやかし」に過ぎません。たとえばタバコを吸うと頭がスッキリするのは、タバコを吸えない状態が長く続いたために起こる脳の覚醒レベルの低下が、タバコを吸うことで、平常喫煙時のレベルまで戻っただけのことです。普段よりも覚醒レベルが上昇したわけではないのです。
「禁煙セルフヘルプガイド第3版」中村正和他監修(法研)(「はじめよう禁煙ブック」母子衛生研究会を改変)
タバコがやめられないのはなぜ?
- 日本ではタバコを嗜好品とみなす風潮が今でも残っています。しかし、ニコチンの依存性の強さは、他の薬物依存症と変わらないことがわかっています。喫煙習慣の本質はニコチン依存症という「脳の病気」なのです。
- また、タバコには「習慣性依存」もあります。生活の中にタバコを吸うことが組み込まれていて、食後やコーヒーを飲むときに条件反射のようにタバコをすってしまうのです。これが「習慣性依存」です。
- このように、タバコはニコチン依存と習慣性依存といった2つの依存を引き起こします。もちろん喫煙者の意志も大事ですが、禁煙には「依存症を治療する」という意識が必要です。
タバコをやめて現れるうれしい変化
禁煙直後 |
周囲の人をタバコの煙で汚染する心配がなくなる。 |
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20分後 | 血圧と脈拍が正常値まで下がる。手足の温度が上がる。 |
8時間後 | 血中の一酸化炭素濃度が下がる。血中の酸素濃度が上がる。 |
24時間後 | 心臓発作の可能性が少なくなる。 |
数日後 | 味覚や嗅覚が改善する。歩行がらくになる。 |
2週間~3か月後 | 心臓や血管など、循環機能が改善する。 |
1か月~9か月後 | せきや喘鳴が改善する。スタミナが戻る。気道の自浄作用が改善し、感染を起こしにくくなる。 |
1年後 | 肺機能の改善がみられる(軽度・中等度の慢性閉塞性肺疾患のある人)。 |
2~4年後 | 虚血性心疾患のリスクが喫煙を続けた場合に比べて35%減少する。脳梗塞のリスクも顕著に低下する。 |
5~9年後 | 肺がんのリスクが喫煙を続けた場合に比べて明らかに低下する。 |
10~15年後 |
さまざまな病気にかかるリスクが非喫煙者のレベルまで近づく。 |
イギリスタバコ白書「Smoking Kills」, 1998 / IARCがん予防ハンドブック11巻, 2007
タバコをやめると得られるメリット
- 貯金が出来る、自分の小遣いが出来る
- 食事がおいしく感じられる、味覚が戻る
- 健康阻害要因の一つが除かれる
- 周囲へ気遣いしなくて済む、ストレス減る
- 非喫煙者として割引料金で生命保険をかけられる
- 家屋や自動車の買取査定に差が出る
- 自分に自信がつく