このページの先頭です
サイトメニューここから
このページの本文へ移動
サイトメニューここまで

通常展 プリンス・トクガワ~華麗なる人脈

更新日:2019年2月21日

開催期間

平成31年1月26日(土曜)から6月16日(日曜)まで
※4月に展示替えを行い、一部の展示品を入れ替えます。(展示替えのための臨時休館はありません)


概要

ごあいさつ

 とうとうと流れる大河、江戸川を見下ろし、遥かに富士山を望む景勝の地に徳川昭武(1853-1910)は戸定邸と庭園を完成させました。
 虚飾を廃した純和風の建物の南には地形を巧みに生かした二つの庭園が広がっています。立地の持つ可能性を見抜き、心血を注いで西洋文化が押し寄せてきた明治前期に「和」と「洋」の融和さえ感じさせる世界を作り上げた徳川昭武とはどのような人物なのでしょうか。
 彼の文化的素養の背景には、彼の出自や経験、人脈が深く関わっています。
 この展覧会では、彼の人生を彩った華麗なる人脈を紹介したいと思います。ヨーロッパ各国の君主、日本の皇室や徳川家、一流の芸術家との交流は、知られざる歴史、文化の一面を私達に語りかけてくれるのではないでしょうか。この展覧会の屋外展示物である戸定邸と共にご覧いただければと思います。

展示概要

 明治維新以降、徳川昭武は政治の表舞台から退きましたが、明治宮廷との密接な繋がり、1867年のパリ万博派遣から交際が始まった人脈は生涯、失われることはありませんでした。明治天皇と皇太子、ナポレオン3世妃ウージェニー、日本経済の父と称される渋沢栄一、海外との懸け橋となった宮家や徳川家の次代の当主たち…昭武を取巻く華麗なる人脈に注目し収蔵資料を紹介します。

構成

万博と海外王室

 1867年のパリ万博以来、徳川昭武は、フランス皇帝ナポレオン3世夫妻及び皇太子と親交を続けました。パリ万博会期中は、ロンシャン競馬場での天覧競馬や、ロシア皇帝も交えてのオペラ鑑賞など、華やかな行事に招待されています。ナポレオン3世父子の没後も、ウージェニー皇后と折に触れて手紙を交わしました。
 万博後、5ヶ国を巡った表敬訪問の旅で、昭武はベルギー国王レオポルド2世から私室でコーヒーをふるまわれ、イタリア国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世からは勲一等に相当する勲章を授かりました。次期将軍候補、プリンスとして丁重なもてなしを受けたのです。
 当時、昭武は14歳。海外との交流は、後の人生に大きな影響を与えたのです。

皇室との縁

 徳川昭武は、明治元年(1868)の帰国直後、明治天皇に拝謁します。昭武は天皇に最新の海外事情を報告し、これからは度々参内するようにと命じられ、皇室との密接な関係がスタートします。
 明治14年には、定期的に天皇に謁見する役職「麝香間伺候(じゃこうのま しこう)」を拝命します。非常時には最も近い場所で天皇をお守りする役目もありました。天皇、皇后は度々昭武の屋敷を訪問し、水戸家の本邸・小梅邸への行幸、行幸啓は6度に及びました。
 そして、明治35年には、皇太子(後の大正天皇)が戸定邸に事前の告知なく行啓しました。背景に両者の親密な関係が想像されます。
 有栖川宮威仁親王と昭武は、写真や自転車、作陶など共通の趣味でも交流があり、互いの邸宅を訪問しあっていました。

徳川家の絆

 徳川昭武と兄・慶喜は血縁関係だけでなく,写真、狩猟、作陶など共通の趣味を楽しむ仲の良い兄弟でした。
 政権を朝廷に帰した慶喜に代わり、徳川宗家は、家達が当主となりました。イギリス留学時、家達は昭武に留学を継続したい心中を打ち明ける手紙を送るなど、親密な関係を伝える文通をしていました。
 明治16(1883)年、昭武は水戸徳川家当主の座を甥・篤敬に譲ります。昭武と篤敬は年齢が近く、フランス留学など共通点が多かったことから、篤敬も昭武を慕い、公私ともに親しく交流しました。また、昭武に最初に写真を教えたのは篤敬だったと言われています。
 昭武は、徳川家の新旧世代両方にとって要となる人物だったといえるでしょう。

芸術家との交流

 徳川昭武は、多くの芸術家と関わりを持っていました。
 洋画家・和田三造は、昭武が整備を進めた牧場に長期滞在し、出世作である《牧場の晩帰》を制作しました。昭武は彼の支援者だったのです。
 また、当時の代表的な写真家の一人である江崎礼二を戸定邸に呼び、大型の見事な写真を撮影させています。昭武が投稿していた写真同人誌「華影」には、評者として洋画家・黒田清輝や写真家・小川一真が参加し、昭武の作品についても採点し、厳しい指導も行っていました。
 さらに、昭武の作陶には、彫刻家も協力していました。小倉惣次郎や美術学校の教師・海野美盛、沼田一雅など当時一流の芸術家が戸定邸を訪れ、様々な製作を行っています。陶製獅子などの動物作品には、特に高度な技術が取り入れられていたことが推察されます。  

お問い合わせ

生涯学習部 文化財保存活用課 戸定歴史館

千葉県松戸市松戸714番地の1
電話番号:047-362-2050 FAX:047-361-0056

本文ここまで


以下フッターです。