ヒナを拾わないでください
更新日:2024年5月8日
春から夏にかけては野鳥たちの繁殖期シーズンを迎えます。この時期は、地面に落ちて迷子になったように見えるヒナを見かけることが多くなる季節です。しかし、その子たちは迷子になっているわけではありません。巣立ちビナは、しばらく親鳥と一緒に暮らし、エサの取り方や飛び方などを学びながら成長していきます。巣立ちビナを保護することは、親子を引き離すことになってしまいます。
ヒナを拾わないでキャンペーンポスター:(公財)日本鳥類保護連盟、(公財)日本野鳥の会、NPO法人野生動物救護獣医師協会作成
巣立ちビナ
野鳥のヒナが卵からふ化し、成長する過程で初めて巣の外へ出ることを「巣立ち」といいます。よくテレビなどで、野鳥のヒナの「巣立ち」というと、力強くはばたいて、巣から一直線に遠くまで飛んでいく映像を目にします。また、人間の生活の上でも「巣立ち」、「一人前」、「自立」といったイメージでとらえられているのではないでしょうか。
ところが、私たちの身近な環境で繁殖している野鳥たちの「巣立ち」は、そんなイメージとはかなり違っています。
巣立ちビナの時期に学ぶこと
巣立ちビナは、巣立った後もしばらくは親鳥と一緒にいて、さまざまなことを学びながら独立していきます。
飛び方
最初から上手に長い距離を飛べるわけではありません。飛ぶ練習が一時的に地面に落ちているように見えることがあります。
エサのとり方
巣立ち後も、しばらくの間は、親鳥からエサをもらいながら、食べられるものを学習していきます。
外敵からの身の守り方
私たちがいくら上手に巣立ちビナを育てたところで、親鳥に代わってこれらのことを教えるのは不可能です。ヒナが「落ちている」あるいは「一羽でいる」ところを見つけても、それが巣立ちビナならば、近くの木の枝や、安全な草むらに移してあげるなどちょっとした手助けだけで十分です。適切な判断こそが、巣立ちビナを救う最良の方法です。
野鳥の捕獲・飼養について
野鳥を許可なく捕獲・飼養することは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」によって禁止されています。