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人権施策推進に係る指針(改定版)

更新日:2024年2月14日

 松戸市では「人権が尊重されすべての人が安心して暮らせるまち」を築くことをめざして「松戸市人権施策に関する基本方針」を策定し、総合計画のなかでは基本理念の一つに人権尊重を掲げており、更により具体的に人権施策を推進するためのガイドラインとして「人権施策に係る指針」を策定し、人権施策を推進してきました。

 令和2年度から令和6年度までの5か年を目標達成時期とした「人権施策に係る指針」の更なる充実に向け市民の皆様等に「改定版素案」を公表し、広く意見を求めておりましたが、令和2年1月に、この度新たなガイドラインとして「人権施策に係る指針」(改定版)を策定しました。

個別課題の現状と課題について

 松戸市では平成9年に人権に関する基本方針を策定し、人権施策として個別課題を中心とした行動計画の策定及び実施に向けて取り組んできました。また、平成30年に実施した「人権に関する市民意識調査」でさまざまな市民の考えや意見を知ることができました。
 これまでの取り組みの結果と市民の意見を受け、今後も取り組むべき当面の課題としては以下のようなものがあります。

性差別の問題

 男女平等の理念は日本国憲法に明記され、男女雇用機会均等法などによって雇用の場における、性別を理由とする差別の禁止等が盛り込まれています。

 今回の市民意識調査では、「あなたは、女性に関する人権問題はあると思いますか」という設問に対し、86.9%の方が、人権問題は「ある」と回答、女性の人権が尊重されていないと感じる行為は「職場における差別待遇」20.8%が最も高く、次いで「男女の固定的な役割分担意識を押し付けること」18.5%、「レイプなど女性への性暴力」14.6%の順となりました。

 依然として、人々の意識や行動、社会の慣習・慣行のなかには、男女の役割に対する固定的な考え方に基づくものや、社会的性別へのとらわれが根強くみられます。

 こうした現状を解消するため平成11年(1999年)に「男女共同参画社会基本法」が制定され、本市では1年先行して平成10年(1998年)より「松戸市男女共同参画プラン」による男女が性別にかかわりなく、個性と能力を十分に発揮することができる社会「男女共同参画社会」づくりのための施策が展開されています。
 性別による差別は、男女共同参画社会の形成を阻害する重大な問題です。家庭や職場、地域社会における習慣や制度についてジェンダー(社会的性別)の視点で一つひとつ見直していくこと、また、性に起因する暴力が根絶されること、生涯を通じた女性特有の健康と権利が保障されるようになることが課題です。

子どもの問題

 子どもに関しては、いじめや不登校、体罰・育児放棄等の児童虐待のほか、インターネットによる有害情報の氾濫や携帯電話の普及による出会い系サイトを介した児童買春など、子どもの健全な成長を害する様々な問題があります。

 子どもを精神的・肉体的に深く傷つけ、人格形成に大きな影響を与えるいじめは、最近では陰湿化、粗暴化の傾向にあり、深刻な問題になっています。また、増加傾向が続く不登校についても、その原因はますます複雑化・多様化してきています。児童虐待についても、親の育児不安や社会からの孤立などにより増加しています。

 このため、いじめや不登校については、児童生徒の変化を早期に発見し対応に努め、一人ひとりの悩みにきめ細かく対応する相談・指導体制の充実を図るとともに、家庭、学校、地域が連携した総合的な取り組みが求められてきました。

 このような状況を受けて、いじめ問題への対策を社会総がかりで進めるために平成25年(2013年)6月に「いじめ防止対策推進法」が、10月に「いじめ防止基本方針」が制定され、国や地方公共団体の責務が明らかにされました。千葉県でも「千葉県いじめ防止対策推進条例」が平成26年(2014年)4月1日より施行となり、国、県、市町村、学校、地域、保護者、家庭等の関係者の連携の下、いじめ防止対策に取り組むことが定められました。本市においては平成27年(2015年)教育委員会に「いじめ防止対策委員会」を市長部局に「いじめ調査委員会」をそれぞれ設置しました。今後は実効性のある体制づくりとその運用の推進が課題です。

 また、児童虐待を防止するため、早期発見・早期対応を目的として、平成18年(2006年)に「松戸市子どもと女性に対する暴力防止対策地域協議会」が設置され、関係機関との連携強化を図ることにより一定の成果を上げてきました。平成28年(2016年)の児童福祉法の改正では、児童の権利に関する条約に基づき、昭和22年(1947年)の制定以来見直されていなかった児童福祉法の理念規定を改め、児童が権利の主体であること、子どもの最善の権利が優先されること等が明確化されました。同年本市においては更なる連携体制の強化を図るため、会議の名称を「松戸市児童虐待防止ネットワーク」とし、平成29年(2017年)には児童福祉法に定める「子ども家庭総合支援拠点」を設置し体制整備を行いました。今後は、地域全体で子どもの安全を守れるよう、関係機関との連携強化と市民への啓発施策の推進が課題となっています。また、保健福祉サービス(健康診査、予防接種等)を受けていないことに伴い、健康に暮らす権利が侵害されるため、今後、養育支援を特に必要とする家庭の把握と継続的な支援の連携体制についての取り組みが特に求められているところです。

 IT化の進展に伴う子どもを取り巻く有害な環境については、これを浄化するとともに、様々な問題に主体的に対応できる資質と意欲を有し、活力に満ちた子どもの育成を図る施策の推進が課題です。
 なお、わが国においては、平成6年(1994年)4月に「児童の権利に関する条約」が批准され、すべての子どもの基本的人権の尊重が求められていますが、十分周知されていない状況にあります。家庭や地域、学校、行政などの様々な場において、子どもの参加の権利が尊重され、子どもの意見を表明する機会が確保されるよう、子どもの人権に関する啓発施策の強化も求められています。

高齢者の問題

 高齢者に関しては、平成18年(2006年)に介護保険法が改正され、「高齢者の尊厳の保持」「有する能力に応じ自立した日常生活」をめざした介護という理念が明記されました。また、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が同じ年に施行され、関係機関の責務や役割を明確にすることにより、高齢者虐待の防止及び養護者に対する支援等に関する施策の推進が図られることになりました。

 これらの法制度の整備に基づき、地域包括支援センターが中心となって介護を必要とする高齢者の権利擁護に係る支援活動を行っていますが、虐待を行った養護者の支援も視野に入れたサポートシステムの構築の必要性が高まっています。また、高齢化の進展に伴い認知症高齢者が増加していることから、認知症になっても尊厳が守られ、地域で生活ができるよう、認知症の正しい理解を図る啓発施策や見守りなどの支援施策が必要となっています。

 一方、地域や社会で自己実現をめざして活動する高齢者も多数おり、そのニーズに対応することも求められています。高齢者が、その経験や能力を生かして就労や地域活動などに参加できるよう、社会参加の機会を保障するシステムの構築が課題となっています。
 全ての高齢者の人権が尊重され、いきいきとした生活が送れるようなまちづくりを進めるため、「松戸市高齢者保健福祉計画」及び「松戸市介護保険事業計画」に基づき高齢者の自立支援のための施策を推進していますが、高齢者の多様なライフスタイルにどのように対応していくかが課題となっています。

障害のある人の問題

 平成5年(1993年)に改正された「障害者基本法」において、これまでの「身体障害」「知的障害」に、新たに「精神障害」が加えられ、3障害とされることになりました。平成7年(1995年)には「障害者プラン~ノーマライゼーション7か年戦略」が策定され、障害のある人の生活全般にわたる施策が総合的に行われてきました。

また平成18年(2006年)には「障害者自立支援法」が、平成25年(2013年)には、その改正法となる「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」が施行されております。

 この法律は、すべての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの基本的理念のもと、誰もが相互に人格と個性を尊重し支えあう「共生社会」の実現、障害のある方に対する誤解や偏見の解消、障害のある方の自立と社会参加推進を目指すものとなっております。

 本市では、この法律の趣旨に基づいた「松戸市障害者計画」を策定し、障害のある方が地域で共に生活できるよう、個別の支援を実施するとともに、社会生活における物理的・心理的な障壁をなくすバリアフリーの取り組みを進めているところです。
 また平成28年(2016年)4月に障害を理由とする差別の解消を推進することを目的とした「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行され、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供が求められるようになりました。今後は、障害がある人が不利益を被ることのないよう、人権の尊重や権利擁護の取り組みを推進してまいります。

被差別部落出身者の問題

 同和地区出身者(被差別部落出身者)に対する国民の差別意識は、これまでの同和教育及び啓発活動の推進等によって着実に解消に向ってはいます。しかし、地域により程度の差はあるものの同和地区出身者に対する差別言動や結婚問題などは依然として存在しています。これらの問題解決のため平成28年(2016年)12月に「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。
 「市民意識調査」の結果をみると、回答者の約半数が同和地区出身者に関して「人権問題はある」と回答しています。また、同和地区出身者との結婚について否定的な考えを持つ方が2割、「職場や近所などで親しい人が同和地区出身者であるとわかった場合、これまでと同じように親しく付き合っていく」との考えを持つ方が約8割弱に留まるなど、差別意識はまだ根強く残っていると考えます。
 このため、同和問題の早期解決をめざして、同和地区出身者に対する差別意識を解消するための啓発・教育を推進することや人権擁護のための相談を充実することが課題です。

外国人の問題

 日本に滞在あるいは定住する外国人の急増は本市においても例外ではなく、言葉や文化、生活習慣の違いなどから生じるトラブル、外国人であることや国籍が違うことを理由としたさまざまな差別が見られます。

 また、過去の歴史的経緯によって日本に在住し、特別永住資格を持つ在日韓国・朝鮮人等に対する嫌がらせや差別などの問題もあります。国においてはこれらの問題解決のため平成28年(2016年)6月「本邦外出身者に対する差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(いわゆる「ヘイトスピーチ解消法」)が施行されました。

 「市民意識調査」の結果をみると、「日本に居住する外国人は、習慣等が異なるため、地域社会に受け入れられにくい」と考えている方が最も多く全体の約2割を占めていました。また、外国人の人権を守るために必要なことは何かという設問に対しては、「外国人のための各種相談機能を充実する」「外国人の文化や伝統を尊重し、協調する態度を育むなど、国際理解教育を進める」「外国人と地域住民との交流を図り、相互理解を深める」という結果でした。
 このような現状から、外国人の人権が尊重され、国籍を問わず全ての人が安心して生活できるよう、多文化共生の社会づくりのための施策を推進することが課題です。

患者等の問題

 これまで、エイズ患者(HIV感染者)、ハンセン病患者(元患者)、難病や慢性的な病気の患者に関しては、病気に対する正しい知識の不足や誤解等により、さまざまな場面で偏見や差別意識が生み出されてきました。

 感染症を取巻く状況は、医学や医療の進歩、公衆衛生水準の向上、国際交流の活性化等により著しく変化しており、市民一人ひとりに感染症と感染防止に関する正しい知識や情報を迅速に提供し、健康危機管理と人権尊重の両立を基本とした対策を推進することが課題となっています。

 また、患者やその家族と医師や看護師等の医療従事者との関係も、患者等の人権を尊重するという観点から大きく変化しています。

 これまでは、医療従事者の方が疾病について豊富な知識と経験を持っているため、医療従事者が患者を管理して治療や看護を行うという「上下の関係」でしたが、現在は、医療従事者は患者の疾病についての情報提供者であり、患者はその情報を元に自分の治療方法を決定し、その決定に基づいて医療従事者と患者が「より良きパートナーとして協力しながら治療を行う」という「対等な関係」に変化してきました。
 こうした新しい関係を築くためには、患者等と医療関係者の信頼関係が不可欠です。そのため患者等の人権やプライバシーに配慮した患者中心の医療を推進する体制と、患者等が病気や治療方法、医療過誤等について安心して相談できる体制を充実させることが課題となっています。

さまざまな人権の問題

 これまで取り上げてきた分野別の人権問題のほかにも、次のような人権問題があります。

アイヌの人々の問題

 アイヌの人々は、主に北海道に居住し、独自の文化とアイデンティティを有する先住民族ですが、明治維新以降、国は北海道開拓の過程でアイヌ民族の言語や生活習慣を事実上禁じ、和風化を強制する同化政策をとりました。また、学校ではアイヌ語をはじめ独自の文化は否定され、日本語や和人風の生活の仕方を覚えさせられました。

 こうして、明治以降の約100年にわたる国の政策により、アイヌの人々の固有の文化は否定され続けてきました。そして、アイヌ民族に関する正しい理解や認識が不足していることによる、いわれのない差別や偏見が根強く残っています。
 これらの問題解決のため令和元年(2019年)5月「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」が施行されました。 アイヌの人々の人権を尊重する観点から、アイヌの人々に対する偏見や差別意識を解消し、その固有の文化や伝統に対する正しい認識と理解を深めるための教育・啓発施策の推進が課題となっています。

インターネットによる人権侵害の問題

 高度情報化社会が急速に進展し、手軽で便利なメディアとしてパソコンや携帯電話などによるインターネットの利用者が著しく増加しています。これに伴い、発信者の匿名性というその特性を悪用した個人に対する誹謗・中傷の書き込み、差別表現、プライバシーの暴露、著作権の侵害、ネットいじめ、嫌がらせメールなど、プライバシーの侵害や差別を助長する表現の流布が増加しています。

 また、出会い系サイトによる児童買春や過激な暴力シーン、児童ポルノのサイトなどが、子どもを巻き込む犯罪に関係しているとも考えられています。
 このため、憲法が保障する表現の自由に留意しつつ、インターネットの利点と問題点を正しく理解し、人権を侵害する情報をインターネットに掲載しないよう個人の責任や情報モラルの理解を図る教育・啓発施策の推進が課題となっています。

刑を終えて出所した人の問題

 刑を終えて出所した人やその家族に対する偏見や差別は、まだまだ根深いものがあり、就職、結婚等に際しての差別問題のほか、悪意のある噂の流布などの人権侵害が起きており、刑を終えて出所した人が社会復帰を目指す上での妨げとなっています。
 このため、刑を終えて出所した人やその家族に対する偏見や差別をなくすための教育・啓発施策を推進するとともに、刑を終えて出所した人が社会の一員として円滑に社会復帰、社会参加ができるよう、社会的自立を支援するための施策の推進が課題となっています。

性的マイノリティ

 LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)を含む性的マイノリティに対する理解不足に基づく偏見や差別意識により、性的マイノリティの人が自己肯定感を持てず、自分の生きたい人生を選択できない現状があります。

 このため、多様な性の存在と生き方を尊重し、共生できる地域社会の実現が求められています。
 性的マイノリティに関する正しい理解を深め、性的マイノリティの 人が自己肯定感を持てるような教育・啓発の推進と相談体制を整備するなど、地域で安心して暮らせる環境整備施策の推進が課題です。

犯罪被害者等の問題

 犯罪被害者やその家族は、生命・身体、財産という直接的な被害だけでなく、事件をめぐる捜査や裁判に伴う精神的な負担、あるいは周囲の無責任な噂話やマスメディアによる行き過ぎた取材など、二次的な被害に苦しむ場合があります。

 犯罪被害者等が置かれている状況を理解し、その平穏な生活が確保され、精神的な立ち直りと社会的自立に対して地域全体で支え合うことのできる社会の実現が求められています。
 このため、プライバシーの保護など、犯罪被害者等が置かれている立場に対する理解を深める教育・啓発施策の推進とともに、行政・司法・民間の支援団体等の協力・連携のもとに、犯罪被害者等が地域で安心して暮らしていくための環境を整備し社会的自立を支援する施策の推進が課題です。

ホームレスの問題

 道路、公園、河川敷等で野宿生活をする、いわゆるホームレスの人は減少傾向にあります。しかし、経済的要因や人間関係の喪失などの要因が複合的に絡み合ってホームレスになると、自立の意欲はあってもなかなか元の生活に戻れない現実があります。

 また一部では、ホームレスの社会性の欠如や住民のホームレスに対する否定的な先入観によるあつれきも生じています。
 このため、ホームレスの人の自立を支援する施策の推進と、誤った先入観、認識を解消するための啓発施策の推進が課題です。

東日本大震災に起因する人権問題

 平成23年(2011年)3月11日に発生した東日本大震災において避難生活を余儀なくされている人々に対し、長期化によるトラブルや放射線被爆についての風評等による差別が発生しております。この問題に対し、風評被害の予防や避難されている方々に対する認識をさらに深めることが課題です。

ダウンロード

「人権施策推進に係る指針 改定版」(全文)は、下記からご覧いただけます。

「令和5年度 人権施策の評価」の公表について

 「人権施策推進に係る指針」に規定される、「令和5年度人権施策の評価」及び「令和6年度進行管理方針」が決定されましたので、その概要を公表します。

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