ダニ媒介脳炎について(情報提供)
更新日:2017年7月18日
ダニ媒介脳炎は、ウイルスを保有するマダニに刺咬されることによって感染する疾患で、日本では1993年及び2016年に北海道において発生が確認されていましたが、今般、北海道において国内3例目が確認されております。
ダニ媒介脳炎は発熱、頭痛、筋肉痛などの症状が出現し、髄膜脳炎に進展し死に至ることがあります。
草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないことなど、マダニに咬まれない予防措置を講じると共に、もし発症した場合には、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
ダニ媒介脳炎に関するQ&A(厚生労働省)より抜粋
ダニ媒介脳炎とは何ですか?
ダニ媒介脳炎は日本ではあまり知られていませんが、世界では決してまれな病気ではありません。
ダニ媒介脳炎にはいくつかの種類があり、その主なものとして、ロシア春夏脳炎、中央ヨーロッパ型ダニ脳炎があり、流行地では、この病気にかかるリスクの高い方(野外で活動する機会の多い方など)に対してワクチンの接種が行われることもあります・
病原体は、日本脳炎と同じ分類(属)のフラビウイルスで、げっ歯類とマダニの間でウイルスが維持されています。
どのようにして感染するのですか?
ウイルスを保有するマダニに刺咬されることによって感染します。逆に言えば、ウイルスを保有したマダニがいない地域では感染がおきません。
また、感染した山羊や羊等の未殺菌の乳を飲んで感染することもあるとされています。
通常、人から人に感染することはありません。
なお、一般的に、マダニは、沢に沿った斜面や森林の笹原、牧草地などに生息し、家の中や人の管理の行き届いた場所にはほとんど生息していません。
どのような症状になるのですか?
潜伏期間は、通常7日から14日です。
中央ヨーロッパ型脳炎では、発熱、筋肉痛などのインフルエンザ様症状が出現し、2から4日間続きます。そのうちの約3分の1は、髄膜脳炎に進展し、痙攣(けいれん)、眩暈(めまい)、知覚異常などがみられます。
ロシア春夏脳炎では、高度の頭痛、発熱、悪心などの後、髄膜脳炎に進展します。
発症した場合の致死率は、中央ヨーロッパ型脳炎では、1から2%、ロシア春夏脳炎は20%といわれており、回復しても数割の方で神経学的後遺症がみられます。