市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)について
更新日:2024年1月22日
「オーバードーズ(Overdose)」とは、風邪薬や咳止めなどの医薬品を、大量・頻回に服用することをいいます。
近年10代・20代の若い世代を中心に、薬局やドラックストアで購入できる市販薬のオーバードーズが深刻化しています。従来の違法薬物と比較して、女性が多く、非行歴が少ないなどの特徴があるとされています。
薬には、治療の目的にあった作用(主作用)とそれ以外の作用(副作用)が必ず存在します。
薬の副作用を抑え、効果を最大限に引き出すために、すべての薬には用法や用量が定められています。
本来の目的とは異なる方法で服用したり、過剰摂取を続けると、副作用により身体に悪影響を及ぼしたり、やめたくても、やめられなくなるおそれがあります。このような状態で、急に薬の服用を中止・減量すると「吐き気・嘔吐・手の震え・幻覚・イライラする・落ち着かない」などの、離脱症状が現れることがあり、これらの症状を和らげるために、また薬を服用してしまうという、悪循環に陥ることもあります。
手軽に手に入る市販薬でも、正しい用法・用量で服用しないと、最悪の場合死に至るケースもあります。
「危険なのは分かってる。でも…。」オーバードーズの背景
あるアンケート調査から、「市販薬を過剰摂取するリスク」について、多くの人が「知っていた」という結果があります。ではなぜオーバードーズをするのか?
頭では危険だと分かっていても、不安や葛藤などの”つらい気持ち”を和らげたいという思いから、オーバードーズに頼ってしまうこともあると考えられます。
周囲の人が本人に対してオーバードーズをしたこと自体を叱ったり、責めたりすることは、根本的な解決にはなりません。
オーバードーズをやめさせるためには「ダメ。ゼッタイ。」だけでは「ダメ。」なのです。
オーバードーズの裏にはいじめや虐待、親との関係が悪い、学校での孤立など、深刻な問題が潜んでいる場合もあります。原因となっている悩みや問題に、周囲の人も一緒に向き合うことが解決の第一歩です。
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