脳神経内科(神経内科)
更新日:2024年9月27日
令和6年4月1日から「完全紹介予約制」となっております。
ご不便をおかけしますが、ご理解賜りますようお願いいたします。
当科への受診は、地域の医療機関等からの紹介状と事前の予約が必要となりますので、
当院を初めて受診される方へをご覧になり、お越しくださいますようお願い申し上げます。
脳神経内科について
脳神経内科部長 西村 寿貴
脳梗塞などの血管障害、髄膜炎・脳炎などの神経感染症、多発性硬化症・重症筋無力症などの神経免疫疾患を代表とする急性期治療を中心に診療しております。一方、神経難病と呼ばれている神経変性疾患(パーキンソン病など)に対する的確な薬物療法とともに、在宅医療を必要とする疾患の場合には在宅医療に向けての準備・支援などの慢性期治療にも力を注いでいます。
受診案内(完全紹介予約制)
患者さまへお願い
慢性経過のアルツハイマー病を代表とする認知症疾患や脳梗塞後の慢性期継続通院に関しては、ご自宅近くの地域の医療機関に積極的に紹介させて頂いております。再び、専門的な検査や入院が必要となった場合には、地域の医療機関から当センターへ紹介を頂き、治療を行っております。
継続通院を希望される方が多いのですが、より重症度の高い多くの患者さまを診察できるよう、ご理解いただけますよう、宜しくお願い致します。
※脳神経内科 外来担当医表をご確認ください
紹介状をお持ちの患者さんの予約について
受付時間
月曜から金曜日(祝日・年末年始を除く)
午前8時30分から午後5時
電話:047-712-0685(地域連携室)
受診に関する関連リンク
主な診療
診療について
臨床神経学一般、すなわち、脳、脊髄、抹消神経、筋など神経系全般に関する疾患(外科的疾患を除く)の診断、治療、予防を行っています。
診療対象となる症状あるいは主訴
頭痛、めまい、失神、痙攣、意識障害、認知症、歩行障害、四肢の運動麻痺・萎縮、ふるえなどの不随意運動、筋緊張の異常、しびれなどの異常感覚や感覚の鈍麻、顔面の麻痺や痛み、言語(構音)障害、嚥下障害、視力障害、聴力障害、耳鳴り、排尿障害など
代表的な神経疾患
- 脳血管障害:特に脳梗塞、一過性脳虚血発作などの虚血性脳血管障害
- 髄膜炎・脳炎・脊髄炎などの神経感染症
- アルツハイマー型認知症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、シャイ・ドレーガー症候群、ハンチントン舞踏症、進行性筋ジストロフィーなどの変性疾患
- 多発性硬化症、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、多発筋炎などの免疫性疾患
- 頭痛(緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛など)、てんかん、めまいなどの機能性疾患
- 頚部脊椎症、三叉神経痛
- 糖尿病性ニューロパチー、顔面神経麻痺など
「認知症」について
高齢化社会と言われて久しく、またその速度もどんどん加速している現在、認知症は極めてありふれた病態であり、職員のみなさんが日常診療の中で日々このような患者さんと接していらっしゃることでしょう。種々の慢性疾患や悪性疾患を抱えた高齢者の中に、少なからず認知症の患者さんが居り、認知症の周辺症状で看護スタッフは対応に苦慮し、医師からは症状説明を理解してもらえない事は、患者さんの治療方針にも当然影響することとなりますし、また患者さんの処遇を巡ってのケースワークが必要になります。
しかし、全てを「認知症」だからと諦めてはいけない例もあります。一見、認知症のようでありながら、実は本当の認知症ではない treatable dementia(治療可能な認知症)もあるのです。その中には、甲状腺機能低下症などの全身性疾患の影響や、様々な程度の意識障害による一過性の認知機能障害、うつ病による判断力の低下などが挙げられます。
これらの疾患を治療すれば、患者さんの一見、認知症様の症状を改善することが期待できます。これらの疾患を除外した上で頭部画像検査や脳の機能検査などを行い、原因疾患を判断することになります。認知症は、脳血管性型と変性型(アルツハイマー型など)とに大別されますが、実際の症例ではその混合型も多くみられます。
ただ、認知症の周辺症状として、徘徊や興奮、更には異食、幻覚妄想などの精神症状が出現する例が少なからず有り、その場合に精神科の関与が求められます。認知症病態については、どの先生方にも理解して頂いた上で、各科のコンサルテーションに対し、その症状に応じて脳神経内科と精神科の医師とが応えていくべきものと思われます。
「しびれと痛み」について
日常診療にしびれを主訴とする疾患で頻度の高いものには、末梢神経障害では、手根管症候群(entrapment neoropathy)などの単ニューロパチー、糖尿病や謬原病でみられる多発性単ニューロパチー、糖尿病・栄養障害・薬物副作用などでみられる多発性ニューロパチー、神経痛筋萎縮症とも呼ばれる急性腕神経叢障害、頸部・腰部脊椎症でみられる脊髄神経障害などがあります。その他、頸部脊椎症性脊髄症・脊髄炎・多発性硬化症などの脊髄疾患、脳血管障害、脳腫瘍などの脳疾患にもしばしば遭遇します。
これらのうち、緊急を要する疾患には、一過性脳虚血発作・脳梗塞・脳出血などの脳血などの脳血管障害、脳腫瘍、脊髄血管障害、多発性硬化症や他の原因による急性脊髄症(炎)、ギラン・バレー症候群を代表とする急性発症の末梢神経障害などがあります。上・下肢、顔面、体幹にしびれが生じた場合には、脳神経内科を受診してください。
「パーキンソン病」について
パーキンソン病は、主に50歳以降に発病し、ゆっくりと進行する神経系(脳)の病気です。多くの場合は、手足が震える、動作が鈍い、歩き方がおかしい、姿勢が前かがみになるなどの症状で始まります。
この病気の原因は未だ解明されておりませんが、病態はわかっています。運動を遂行するにあたり、どのように運動を行うかという計画を立て、細やかな運動の調節を行う脳の部分が障害されます。
最近、外科的手術(脳深部刺激療法など)も施行されているようですが、最も基本的な治療方法は、基底核で欠乏しているドパミンを補うために、ドパミンの前駆物質であるレボドパを投与することです。
治療は長期にわたるため、注意深い経過観察が必要です。また、他の原因(脳梗塞・中毒など)で上記部位が障害されても、パーキンソン病と似た症状がみられることがあります。このようなことから、パーキンソン病の診断と治療は脳神経内科医によることが望まれます。
専門分野・特色
虚血性脳血管障害(脳梗塞、一過性脳虚血発作)とともに免疫性神経疾患(多発性硬化症、重症筋無力症など)、神経変性疾患(パーキンソン病、脊髄小脳変性症など)を中心に専門的診療を行っています。これらの神経疾患に対して詳細な神経学的診察(神経症候)に基づき、神経放射線学的・神経生理学的・神経心理学的手法などを用いて、的確な診断と病態の把握を行うように心掛けています。治療は他科との協力のもとに、薬物療法のみならず血漿交換療法、外科的手術、リハビリテーションなどを組み入れた最新の確立された治療を施行しています。
一方、日常診療において遭遇する頻度の高い症状、疾患(頭痛、めまい、しびれ)に対しても的確な診断のもと治療に工夫をこらし、患者さんに満足していただけるような診療に努めています。
片側顔面痙攣(攣縮)、眼瞼痙攣(攣縮)に対してはボツリヌス毒素を治療に応用したボツリヌス療法を行っております。
スタッフ紹介
西村 寿貴(部長 兼臨床心理室長、平成17年卒)
専門分野 | 臨床神経学 |
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資格 | 日本神経学会専門医・指導医 |
岩井 雄太(副部長 兼リハビリテーション科、平成18年卒)
専門分野 | 臨床神経学 |
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資格 | 日本神経学会専門医・指導医 |
並木 暢大(医長)
専門分野 | 臨床神経学 |
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大澤 健太(医長、平成31年卒)
専門分野 | 臨床神経学 |
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濱 太朗(医員、令和3年卒)
専門分野 | 臨床神経学 |
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櫻井 透(非常勤医)
病院広報誌に掲載中
病院広報誌ペアレターVol.16に掲載しています。ぜひご覧ください。
お問い合わせ
松戸市立総合医療センター
千葉県松戸市千駄堀993番地の1
電話番号:047-712-2511 FAX:047-712-2512