広報まつど2023年7月15日号 県立松戸高校2年・本間 美月さん
更新日:2023年7月15日
フェンシングで戦略を武器に世界と戦う
県立松戸高校2年・本間 美月さん
「エペは筋力差がある相手であっても戦略を練れば勝てるスポーツです」と話すのは、県立松戸高校2 年の本間美月さん。今年4月にブルガリアで行われた世界カデ(17 歳以下)フェンシング選手権大会女子エペで、見事銀メダルを獲得しました。専門種目である「エペ」とは、全身すべてが有効面で、先に突いた選手にポイントが入ります。他の種目よりも自由度の高いところが特徴で、「スピーディーかつ読み合いの幅が広いところが魅力です」とはにかみながら教えてくれました。
本間さんがフェンシングを始めたのは小学生の頃。ともに経験者の両親に地元のフェンシングクラブ・柿ノ木台スケルマへ連れて行ってもらったのがきっかけでした。「瞬時に決着が着くところがとても魅力的に感じました」と楽しそうに話す本間さん。当初は、有効面が胴体部のみで攻撃権が交互に移る「フルーレ」専門でしたが、両親の専門であるエペに転向し、本気で勝つための練習をするようになっていったそうです。
市立第一中学校へ進学後、全国中学校選手権大会で優勝、世界大会に出場するなど、同世代では国内トップクラスの選手となった本間さんですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、世界選手権をはじめ大きな大会は軒並み中止となってしまいました。「フェンシングは試合でしか練習の成果を確認できないので、この時期の練習が一番辛かったです」と当時を振り返ります。高校進学後も同じ状況が続いていましたが、昨年から世界選手権などが復活し、再び海外の選手と試合する機会も増えてきました。
小学生の頃から海外の大会に出場してきた本間さんにとって、海外の選手との筋力や体格の差は大きな課題です。「負けた試合の翌日はなぜ負けたのか徹底的に研究して、次は負けないように戦略を立てる」と話すように、身体能力の差を戦略で補うことができると考え、日々の研究に余念がありません。
「フェンシングは観る機会が少ないけれど、観たら一瞬で好きになると思うので、機会があればぜひ観てほしい」と、終始フェンシングの楽しさを語ってくれた本間さん。6月に行われた県高校総体では見事優勝を果たし、8 月のインターハイに出場する予定です。「将来の夢は世界一になること」と語る本間さんが日本を代表する選手になる日は、すぐそこかもしれません。
世界選手権大会で試合をする本間さん(手前左)